第4章 BOYS LIFE <双子2歳>
「いただきまーす!」
4人の声がダイニングに響く。
「まーくんは?おとまり?」
空いている席を見ながら聞く智。
「いや、今日は帰ってくるよ。
忙しいのかもね」
翔は味噌汁を啜りながら答える。
相変わらず魚がメインの櫻井家。
子どもたちの魚ブームは継続中で肉料理が並ぶことはほぼない。
が、今日は珍しく、肉料理がメイン。
というのも最近、和也がハンバーグに嵌まり、ハンバーグなら肉でも食べるようになった。
智は相変わらず魚の方が良いみたいだが、ハンバーグを成形する際にすこし工夫をしてみたところ、それが気に入ったのか食べるようになった。
というわけで今日の智の皿には小さなミッキー型のハンバーグが2つと星形に切られた人参などが載っている。
和也は形に関係なく食べるので大人と同じ楕円形の小さなハンバーグがかわいく切られた野菜と一緒に出されていた。
ちなみに大人たちは大皿から適当に取るスタイルにしている。
「智、ちゃんと食べてる?」
翔のチェックが早速入る。
食に関心のない智は、放っておくと食べずに遊び出すから声かけは必須だ。
「ん、おいちーよ」
とご飯を口に運びながら言う智。
「ふりかけご飯だけじゃなくてハンバーグもちゃんと食べて」
潤からもチェックが入る。
最近の智のブームがふりかけご飯だからだ。
なにも言わないとご飯だけでお腹が一杯になってしまう。
案の定、この日も減ってるのはお茶碗の中身だけだった。