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【ハイキュー】ウシワカイモウト第二部

第16章 ・【外伝】8番奮闘す


「お前っ。」

吐き出された言葉は妙に勢いがついていた。

「な、何っ。」
「やっぱ1人でウロウロしてる時は気をつけろっ。」
「五色君までどうしたの。」
「うるさいっ、友達に何かあったら困るってだけだ。」
「ありがとう。」
「別に。それより教室行くぞ。」
「そうだね。」

五色はズンズン歩き出し文緒はいつものノリでポテポテと歩く。

「早く歩けよっ。」
「別に一緒に行かなくても大丈夫だと思うけど。」
「お前が遅刻したら困るだろっ。」
「やっぱり優しいね。」
「うるさいっ。」

ポテポテ歩く文緒がちびっ子に見えてしょうがないのを何とかこらえて五色はズンズン歩き続けた。

一連の出来事の間誰も2人を目撃していなかったのは奇跡であろう。


そうして放課後の事である。

「牛島さんっ。」

主将の姿を視認した瞬間五色は声を上げた。

「文緒に考え事しながら歩くなって言ってやってくださいっ。」
「お前来ていきなり何なんだ。」
「瀬見さんからもお願いしまっすっ。」
「どんな巻き込みだよっ。」

一方の牛島若利は瀬見が突っ込んでいるのを気にした様子がない。

「何があった。」
「階段から落っこちたんでキャッチしましたっ、本人も俺も無事っすっ。」
「キャッチて野球のボールかよ。」

山形が突っ込むがやはりそのまま話を進める天然ボケがいる。

「そうか。助かった。」
「いえっ。」

ビシッと妙に姿勢を正して言う五色の傍では大平が落っこちたってとまるで自分の妹のようにオロオロした。

「獅音動揺しすぎ、2人とも無事っつってんだし。」
「そうは言うけどさ天童」
「まあ運がよかったな。」

川西にボソリと言われて五色は思わずギクリとする。白布が不審そうに見るがそれ以上何も言わない。だがまずい事に天童が反応した。

「でさ工、文緒ちゃんどーだったの。」
「思ったよりフニフニしてました主に腕のあたりが、って、あーっ。」

五色はほとんど濁点がついてんじゃないかみたいな叫びを上げるがもう遅い。

「待てこら工。」

瀬見がヒクヒクしている。五色からするとおっかなかった。相手はある意味義兄殿以上に文緒の世話を焼いている約1名、怪獣と相対している方がマシかもしれない。
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