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【ハイキュー】ウシワカイモウト第二部

第11章 ・おでかけします その5


「ところで」

文緒が行った所で若利はふと振り返る。

「何か用か。」

言うまでもなく視線の先には青葉城西の及川と岩泉がいた。

「ヤッホーウシワカちゃん、お久ー。」
「その呼び方はやめろ、及川。それより先程から後をつけていたようだがどういうつもりだ。おまけに岩泉までとは。」
「それについてはマジでわりぃ、そこのクソ川が言い出して聞かなくてよ。まさか放置する訳にも行かねーし。」
「それはもっともだ。」

そのまま納得する若利に及川がちょっと、と唇を尖らせる。

「変なとこで納得しないでくれる。てかさ、ずっと知らないふりしてたの。」
「途中で気が付いた。」
「黙ってるなんてウシワカちゃんも人が悪くなったねえ。」
「文緒が楽しんでいる所に水を差したくなかったのでな。」

若利が言った途端、及川と岩泉はキョトンとした。

「何か言いたげだな。」
「ウシワカちゃんが気遣いするなんて。」
「意外な事もあるもんだな。」

岩泉の言葉に若利は眉間にしわを寄せる。

「どういう意味だ。」
「そんままの意味だ。」
「俺を何だと思っている。」
「バレー以外ニブチンじゃないつもりだったのか。」
「他校にまで言われるのは納得が行かない。」
「夫婦揃って頑固もんが。」
「確かに文緒の頑固さには手を焼く。未だに天然ボケと認めたがらない。」
「全部おめーに返ってんぞ。」
「それとあれはまだ嫁じゃない。」
「岩ちゃん案の定嫁にする気まんまんだよ、こいつ。」
「天然同士ってのがはたから見ても不安だけどな。」
「俺は天然じゃない。」
「ほんっと頑固。何なのウシワカちゃんの頭は御影石で出来てんの。」
「兵庫県がどうかしたのか。」

及川と岩泉は一瞬硬直し、次の瞬間控えめに吹き出した。

「ちょ、ウシワカちゃん、今のって」
「まさかじょーだんのつもりか。」

笑いでプルプル震える幼馴染コンビを責めるわけには行かない。おまけに

「そうだが。」

当の若利が答えてしまう為余計に笑いを誘う。

「ウシワカちゃん、何かあったの。」

及川の8割がたおちょくっている問いに若利はこれまた真面目に答えた。
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