第43章 ・ローカル番組事変
「愛らしいとは思っています。それと歳が近いので。」
流石に出演者らが一瞬固まったのが見て取れた。地デジの高画質万歳などと言っている場合ではない。結局意外な一面も見えたところでと流されて次に進んだが男子バレー部の面々は続きを聞くどころではなかった。
「あんの」
いっとう最初に瀬見がプルプル震えながら言った。
「バッカヤローッ。」
ほぼ空の湯のみを片手に立ち上がって彼は叫ぶ。
「今度は公共の電波で何喋ってやがるっ。」
それよりまず吹いた茶を拭け。
「あはははははは、若利君傑作ぅっ。」
天童は笑っている場合か。
「ここここれヤバイんじゃないですか文緒どうなるんですか。」
五色にしてはわりとまともな発言である。
「流石に文緒さんが追っかけられる事はないと思いたい。でもやっちゃったな牛島さん。」
川西は早いとこ白布に謝って拭いてやらないと命が危険と思われる。
「ちっ、嫁の話を持ち出すなって言い忘れたのは迂闊だった。」
幸い白布は今川西を怒るどころではないらしい。
「これ収録だよな、カットしてくれりゃいいのに。」
山形は何とか煎餅を呑みくだす。
「下手に切ると変になるからか何か知らないけど、ああどうしよう。」
大平が片手で頭を抱え更に瀬見がハッとした。