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【ハイキュー】ウシワカイモウト第二部

第42章 ・雪うさぎと雪合戦


次の日も雪が降りまた積もった。
そんな冷え込む朝、白鳥沢学園高校では牛島文緒が五色の表情に困惑している。

「おはよう五色君、どうしたの。」
「い、いやべつにっ。」

言う五色の顔は赤くて別にどころかどう見ても何かある。

「もしかして私、雪くっつけたまま来ちゃった。」

首を傾げる文緒に対し五色はブンブンと首を横に振った。

「とにかく何でもないからなっ。」
「う、うん。」

まったくもって納得は出来なかったがこれ以上聞いたところでと文緒は一旦退いた。


事がわかったのはその日の昼休みである。

「おっす、文緒ちゃーん。」

廊下で天童に会った。

「あら天童さん、こんにちは。」

文緒は挨拶するが天童は何やらニヤニヤしながらぴょこぴょことあちこちの角度から文緒を眺めている。

「あの」
「やー、文緒ちゃんが粘土こねくりまわすのは知ってたけどさ」

ひとしきりぴょこぴょこしてから天童は言った。

「まさか雪までいじるなんて思わなかったよ。」

それで文緒はハッとした。

「もしや若利兄様が」
「うん、かっわいー雪うさぎの写真送ってきた。あ、ちなみにレギュラーのみんなにね。」

朝と同じく文緒は飛び上がった。

「何て事、どうりで五色君が朝から様子が変だと思った。」
「あ、工は多分そっちじゃないと思うよん。とりあえず概(おおむ)ね好評。」
「そ、そうですか。」
「獅音は上手にこさえてるなって。」
「大平さんはお優しいですね。」
「賢二郎はどんだけ嫁好きなんですかってさ。」
「雪うさぎの感想じゃない上に認識が完全に嫁になっているのが気になります。」
「太一はへー可愛いですねって。」
「当たり障りなく言ってくださったのかな。」
「隼人君は次は雪だるまでって。」
「つまりそれはリクエストなのでしょうか。」
「で、英太君はウサギはいいけど身体冷やしてないか大丈夫なのかって。」
「瀬見さんにはいつもそちらのご心配ばかりかけてしまって申し訳ないです。」
「ダイジョブじゃないの、若利君曰く冷えたら自分が温(ぬく)めるから問題ないっつってるし。」

さらりと繰り出された天童の最後の一文で文緒は固まった。しばし2人の間に沈黙が流れる。
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