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【ハイキュー】ウシワカイモウト第二部

第38章 ・義兄、遠征中の話 その4


おかげでまた妙な事になったのである。

「へー、じゃあウシワカちゃんは留守してるんだ。」
「そうなんです。」

とある日の下校中、文緒は青葉城西の及川と岩泉に出くわしていた。

「いいのかよ、兄貴不在でこんなとこまでウロウロして。」

のほほんと言う及川に対し岩泉がチロリと文緒を見る。

「あの溺愛過保護野郎が黙ってねーんじゃないのか。」
「行くなと言われたのは烏野方面ですから問題ないはずです。」
「んじゃ、そこのイケメンの彼は。」

言う及川の目線の先にはご存知瀬見英太がいる。文緒はええとと呟いて俯いた。

「私もよくわからなくて。」
「うちも今日練習休みだから付き添いだ、文句あんのか。」

瀬見は若干やけくそにも見え、それを聞いた岩泉が呆れたような顔をする。

「この嫁がボケボケなのはわかるけどよ、付き添いまでするか。」
「後輩の発案。」
「川西さんですか。」
「いや白布。」
「まあよりによって何て事。」
「どういう状況なんだお前らは。」
「うるせー、うちのこたいいだろ。」
「私は瀬見さんを巻き込む意図はなかったのですが。」
「獅音がお前の事心配し出すから白布がせめて部活が休みの時は誰かついてったらどうだって。」
「何々、文緒ちゃんてば随分モテモテじゃん。」
「からかわないでくださいな、及川さん。ああ、まさかそんな事態になるなんて。皆さんに何と申し開きをしたらよいのか。」

及川から顔を背ける文緒、瀬見がとりあえずだなと話を戻した。

「若利が溺愛してる癖に兄貴として抜けまくりなのが悪い。んで俺は元々若利に気をつけてやってくれって頼まれてるから気にすんな。」
「わお、おっとこまえー。てかどっちがおにーちゃんかわかんないねえ。」
「やめろよく言われるけど及川お前にだけは言われたかねえ。」
「何それひどいっ。」
「日頃の行いだ、バカ及川。」
「四面楚歌っ。」
「皆さん落ち着いてください。」
「いいから文緒行くぞ、どっか寄るんだろ。」
「私は1人でも平気です、どうか瀬見さんは」
「うるせー。」

文緒は困ってしまうが瀬見は聞かないし及川はニヤニヤしているし岩泉はまあ頑張れやといった顔でどうにもならない。
兄貴分に鞄の紐をひかれて文緒は引きずられて行ったのだった。
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