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【ハイキュー】ウシワカイモウト第二部

第35章 ・義兄遠征中の話 その1


「で、若利クンは行ったわけねん。」

後日の昼休み、食堂にて天童が言った。

「はい。」

文緒は言って俯く。無理もない、校内であの牛島若利の(ロリ)嫁で通ってしまっている自分はいつも弁当持参、滅多に食堂へ来ない。なのに今一番親しい瀬見や五色どころか天童以下男子バレー部のレギュラー連中と同席しているのである。人目は気になるし義兄がいない分少々緊張する。

「大丈夫だってー。」

そんな文緒の背中を天童が軽く叩いた。

「若利クンが浮気するとかありえないからさー。」
「天童っ、この馬鹿ヤロっ。」

いきなりとんだネタを繰り出す天童を瀬見がたしなめるが天童は止まらない。

「何でさ、事実じゃん。」
「行き先考えたらありえねーだろ、それとこいつら一応兄妹だから。」
「えー、だってもう校内で若利クンと文緒ちゃん知ってる連中ほとんどが夫婦認定してるよん。」
「いい加減にしなさいよ、文緒さんが反応に困ってるだろ。」

見かねたらしき大平が口を挟んだのはいいが悪気がなかったらしい五色が余計な事を言った。

「文緒、投げてもいいもん探すなよ。」
「五色君は何の心配してるの。」
「だってお前カチンと来たらよく物投げるじゃん、当たっても平気なもんばっかだけど。」
「そんな事言う五色君にこそ何か投げたい気分だよ、こんなとこでやらないけど。」
「そもお嬢様のやる事じゃないだろ、何気に売られた喧嘩買うのは知ってるけどな。」

白布が呟く。

「そういえば白布さんが一等最初に私の事で協力してくださると仰ったと聞きました。」
「あの人喋ったのか。」

尋ねる文緒に白布は余計な事をと一瞬渋い顔をするがすぐに戻った。

「瀬見さんと工だけじゃ人手が足りないだろうから言っただけだ。お前に何があったら牛島さんが困るからであってお前の為じゃない。」
「ありがとうございます。」

文緒が微笑んで礼を言うと白布はチッと舌打ちをしてそっぽを向くがその顔が若干赤かったことを文緒は知らない。更に川西がでもさと話に参加する。
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