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【ハイキュー】ウシワカイモウト第二部

第21章 ・海へ行く話 その2


「それはそうなんだけど、水辺にくらい行かせてくれてもって気はする。」
「我慢しろよ、俺だって一緒に番してんだぞ。」

五色に言われては仕方ないので文緒はうんと呟き、向こうの方で泳いだりしている義兄達に目をやる。天童に水を引っ掛けられたらしき瀬見が何やら騒いで仕返しをしている。更に面白がったのかこっそり川西が参戦し、あおりを食らってひっくり返った山形がわあわあ言っていた。多分だが天童てめーと言っているのだろう。
山形に何やら言っている大平の更に横で義兄の若利が相変わらずの無表情でその様子を眺めているのがシュールだった。

「うぐぐ、俺も早く行きたい。」
「後5分の我慢だよ。次誰だっけ。」
「白布さん。」
「う。」
「何だよ、嫌いなのか。」
「間がもたない気がする。白布さん厳しい人だし。」
「いちいち面倒な奴だなっ。」
「その面倒なのに面倒見られてる五色君はどうなのかな。」
「前から思ってたけどそれおかしーぞっ、何で後から来たお前に俺が面倒見られてんだっ。」
「私に聞かないで。」
「あ、牛島さんがこっち見たっ。」

見れば確かに義兄の若利がこちらを見ている。
文緒は笑ってひらひらと手を振った。義兄は頷きすぐに向こうを向く。

「安心したみたい。」
「そーか。」
「まさか兄様があんなに心配症になるとは思わなかった。」
「そーだな。」

五色はブンブンと縦に首を振った。


そうこうしているうちに五色と交代で白布が来た。

「何だよ。」

ジロリと文緒を見た白布は開口一番そう言う。

「え、何も申しておりませんが。」
「俺見た瞬間固まったろ。」
「申し訳ありません。」

図星を刺されてでかい義兄の上着の中で文緒はショボンとした。白布はふぅと息を吐いてその横にほんの少し間を空けて座る。

「別にお前と仲良しこよしするつもりはないからいいけど。」

さらりと言われて文緒は言葉に詰まった。内心白布ならば驚かないとおもったのだがもちろんそう言う訳にも行かないだろうしさりとて良い言葉が見つからない。白布の方も特に気にしていないのかそれ以上コメントしてこなかった。
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