第5章 《関係》R18
「いや、。俺も別に白福先輩に恋愛感情は持ってないよ。…ということは、お互い何かとんでもない勘違いをしているようだけど…」
だとしたら…だとしたら…!が、木兎さんのことを恋愛対象として見てないと言うのなら。俺にもまだ、チャンスがあるかも知れない。
今からでもいい、いや、今、きちんと伝えなければ。もう多分、これから先彼女に想いを伝える機会はない気がする。
「ねぇ、、落ち着いて聴いてくれる?」
そう言って、繋がったまま俺はを抱き締め、未だちんぷんかんぷんです、という顔をした彼女の背中をゆっくりと撫でた。
一呼吸空いて。
「俺が好きなのは、だよ」
しっかりと、彼女の脳に届くように。まっすぐ、伝わるように。不安そうに揺れる漆黒の瞳に視線を合わせて。
「…へ?」
思わず、笑みが漏れた。
「の応えを、聴かせて。俺に。」
何かを考え込むような色を瞳に滲ませたのは一瞬。それから顔を上げて、ぱっちり俺と視線を合わせて。少し頬にピンクをのせて。
「私も…赤葦先輩が、好き…」
言って、微笑んだ。
今、彼女の頬を流れたのは、嬉し涙だといい。
「ごめんね、、順番色々逆になったけど…俺と、付き合って?」
やっと、やっとここまで言えた。胸でつっかえていたものとか、頭の中でモヤモヤと漂っていたものとか、全てが消え去って、とても晴れやかな気分だ。
「うんっ…こちらこそ、よろしくお願いします…!」