第6章 《ゆるゆる》
突然の爆弾発言に噎せそうになるが、なんとか抑える。
「別にロッカーの上で寝てなくても私は来るよ…」
「うん…うん、そうだね」
少し寝ぼけているのか、ふにゃり、という音がつきそうな笑みを見せる彼。
そしてこれまたふにゃり、という音がつきそうな程度に抱きしめてくれた。
「HP回復中」
なんて、私を回復剤にしてくるものだから、嬉しい。
寝ぼけると、いつもの聡明さは失うけど、そのかわりゆるゆるになる彼。
みんなが知ってる赤葦と、私しか知らない赤葦。
惚れた弱みか。
彼を抱きしめ返して、どちらも好きだなと改めて感じたとある朝の当たり前な非日常。