第3章 長年片想い
……………*
「お疲れ様でしたー」
めんどくさい学校と部活が終わって先輩たちや友達と別れ、
それぞれが帰路につく。
バスなので1人だけ違う方向。
バス停に着くとちょうどバスが来た。
バスに乗り込み揺られること20分。
もとよりの駅に停まりそこから徒歩で家に帰る。
また長い道のりをくねくね歩く。
すると、後ろから急に名前を呼ばれた。
「山田!」
びっくりして振り向くと、そこには自分の好きな人。
「ゆう!」
「おっ、やっぱり山田だった!」
「うちじゃないと思ったの?」
「そうかなーって思って、気になったから声かけた」
「でも、珍しいね、この時間」
「ん?あぁ。今日は部活が短かったから!」
にっ、とゆうは笑う。
その笑顔にキュンとする。
あんな騒動があっても、まだ話しかけてくれるんだ。
「あっ!」
急にゆうは声を上げた。
「ん?!」
「そういえばな!昨日お前が夢に出てきたんだよ!」
「……はっ?」
何が何だかよくわからなくて変な返答をしてしまう。
「だーかーらー、お前が夢に出てきたの!」
「………うぇえぇえっ?!」
「なんでそんなに驚いてんの?」
「だっ、だって、おまじない唱えたから!」
「ん?」
「ゆうの夢に自分が現れますように、って!」
「……お、お前そんなことやってたの?」
「………………あっ。」
ゆうにバレて、顔が赤くなる。
「…………お前」
少しの沈黙。
「まだ俺のこと好きなの?」