【R18 ハイキュー!!】幼なじみ 赤葦京治との場合
第7章 一生モノの約束と男の純情
「か、か、彼女を譲ってやったんだぞ、俺は! お礼を100万回言われたって足りないし!!!」
「譲ってくれなんて、言ってませんけど」
く~っ!!!
木兎さんが頭をかきむしって変な雄叫びをあげる。
だめだ、この人が熱くなると、どんどん自分の頭が冷えていく。
炎と水。
光と影。
自分たちは、正反対だ。
でもだからこそ、コンビとして上手くいっている。
それは間違いない。
「100万回お礼言うのは嫌ですし……」
「あ?」
「あいつのことも絶対譲ることはできませんけど……その代わり、100万回トスはあげるから、それでいいですか」
「うわ、赤葦、超タラシなコト言ってる~」
今まで俺たちの言い合いをニヤニヤしながら見てたマネ先輩に、急にパコンと背中を叩かれる。
「っ、なんで叩くんですか」
「かっこいいから」
意味不明……
「うおおおおおおおお!!!」
なにか、叫ばれるようなこと言ったか、俺?
疲れる……
「200万回だ!」
「は?」
「200万回、トス上げたら、許す!」
「……わかりました。200万回ですね」
はい、と頷いておく。
木兎さんが引退するまで、あと半年。
到底200万回もトスする時間はない。
「おまえ、この約束は、高校に限ったことじゃないからな! 一生だからな!」
「……」
木兎さんにしては、珍しく細かいところに気がついたみたいだ。
しょうがない。
「わかりました」
俺も見てみたい。
木兎さんがスパイカーとしてこれからどれだけ成長するのか。
どこまでこの人が、この世界で進化していくのか……
でも……
「木兎さん、一生かかっても、あいつは譲りませんから。あわよくばなんてしょうもない考えはさっさと捨ててくださいね」
「く~!!!」
とりあえず、釘はさしておこう。