【R18 ハイキュー!!】幼なじみ 赤葦京治との場合
第5章 本当の気持ちは森の中に隠せ
「赤葦、君のこと好きだと思うけど、俺」
「そんなことないです」
「いや、ホント」
それはない。
「ホント、ホント。だってさっき1年マネちゃんの告白、断ってたし」
あの子だ。
この前図書室で聞いた子。
京治、断ったんだ……でも……
「だからって、別に私がなんか関係あるわけじゃないです」
そう、別に京治の好みの子じゃなかっただけかもしれない。
別に今誰とも付き合う気がないのかもしれない。
「でも他に好きな子がいるって断ってけど、あいつ」
「私じゃないです、それ」
「え~、あれ、ぜったい君だよ」
「私たち、ただ、幼ななじみってだけだから」
「いや、絶対あいつ、…っ!」
公園脇の階段を誰かが登ってくる姿に、会話をやめる。
梟谷のジャージ姿……
「木兎さん、こんなとこにいたんですか」
「おおっ、あ、赤葦???」
京治? どうして?
「何驚いてるんですか……黒尾さんや烏野メンバーが探してますよ」
「お?」
「自分から居残りで3対3やろうって言ってましたよね?」
「あ~」
「忘れてたんですか?」
「わ、忘れてるわけないだろっ!」
「ですよね。自分から言い出しておいて、忘れるはずないですよね」
「………」
「………」
「……ア~、はいはい、すいませんでした! 素で忘れてました!」
開き直った木兎先輩は、
「だって大事な用事があったからさ」
「理由はどうでもいいですけど」
京治の返事はどこまでも淡々としてる。
「で、話終わったなら戻ってください」
「わかってるよっ!」
木兎先輩、抜け出してきてくれてたんだ。