第76章 暁に向かって
櫻井視点
浜地「失礼します」
部屋に浜地さんが静かに入ってきた。
(さすが 浜地さん 目が覚めたから 入ってきたんですね…)
浜地さんは微笑みながら和也の側に行く。
「さて!」
座って居た椅子から立ち上がる。
N「翔さん?」
俺を見あげる和也。
「浜地さんが 来たから 俺も部屋に戻って 準備して 時間まで休むよ」
和也の肩をポンポンと触る。
N「俺の為に ごめんね」
瞳を潤ます和也。
「ありがとう だろ?」
頬をグイグイっと押す。
N「うん ありがとう」
「うん」
テーブルの上のパソコンを取りに行く。
「じゃ 浜地さんよろしくです」
浜地さんに手を降る。
浜地「はい」
頭を下げる浜地さん。
廊下に出て 自分の部屋に帰る途中、なぜか智くんの部屋の前で止まる。
俺のポケットには、このフロアの部屋すべてに入れる『フロアキー』がある。
(ぶっちには、事後報告かな…)
智くんの部屋に智くんの許可なく入る。
部屋に電気がついている。
(また、電気つけてたまま寝たんだね…)
メインの電気を消し、淡いランプだけにした。
部屋の配置はそれほど変わらない だから、寝ていると思うソファに向かう。
(いない…)
ベッドに向かう。
ベッドを照らす背の高いランプの光で浮かび上がる、うつ伏せで寝ている頭が“二つ”
(どうして、ここに 二人がいるの?…じゃ 智くんは…)
「あれ…翔くん?」
ベランダの方から今一番聞きたかった声が聞こえてきた。
ゆっくり振り向き「うん」と寝ている二人を起こさないように、小さい声で返事をする。
O「ニノの部屋にいなきゃ じゃないの?」
今にも泣きそうな顔の智くん。
(なんて顔してるのさ)
「浜地さん来たからね お役御免だよ」
O「そうなんだぁ で、和也は?」
少し距離を取った智くんが真剣な顔で言う。
「もう大丈夫だと思う。さっきプリン食べて『おいしい』って言った」
O「プリンかぁ 食べれたなら 安心だ はぁぁ」
大きくあくびをする智くん。
「寝れてないの?」
O「俺のベッド二人に占領されちゃったの」
ベッドの頭二つを指差す智くん。
「二人に占領されなくても、ベットで寝なかったでしょ?」
O「かもね」
ククッと肩を揺らす智くん。