第71章 接待と食事
櫻井視点
智くんが立ち上がっている。
(わぁ!食べ終わっている!?)
小走りで智くんの傍に戻る。
「行くの?」
O「うん。にの あんまり でしょ?」
並んだ智くんが俺の顔を見る。
「『問題ない』 って本人言ってるけど アレはオートだ」
O「そうか じゃ…」
少し曇った顔して下を向く智くん。
(潤より智くんを置いてきた方が よかったかぁ)
曇った顔のまま智くんとボックス席の花を抜けると 沢山の人が集まっていた。
橋本「おまちください」
(橋本さんが 止めてくれてたのか…
お酒入っているからグイグイくるかなぁ)
「待たせてるポイね 二手に分かれる?」
O「そうだね」
(なら…)
男性「大野さん」
俺たちの方に数人が近づいて来る。
O「はい」
名前を呼ばれた智くんが反射的にそちらの方に体を向ける。
近づいて来るのはCMをさせてもらっているビール会社の広報の人達。
(広報の人だったな 名前…誰だっけ…)
男性「コンサートお疲れ様です まずは 乾杯を!」
琥珀色の液体が入ったグラスを智くんに差し出す男性。
O「ありがとうございます」
差し出されたグラスを受け取る智くん。
(あ!受け取った…)
男性「櫻井さんも どうぞ!」
グラスを差し出す社員証をぶら下げている男性。
「あ どうも」(上原さんね…)
グラスには琥珀色の液体
(自社ビール持参ってわけじゃ ないよね…)
「「乾杯」」
グラスを少し上げ、お酒を口に運ぶ。
(俺的には 飲んでる場合じゃねーんだけど やっぱ うまい)
O「コンサート 楽しんでいただけましたか?」
珍しく社交的な言葉と態度をとる智くん。
男性「素晴らしいコンサートでした 明日も楽しみです」
笑顔のスポンサーの人
O「それは 良かった 明日も頑張りますので 楽しんでください」
グビグビとビールを飲む智くん。
男性「櫻井さんのラップ圧巻でした!」
「ありがとうございます」
(このまま 話し込みそうだね…)
O「もっと ゆっくり話したいですが、まだまだ 挨拶しに行きたいので すみません この辺で! いくよ 櫻井君」
頭をさげ 持っていたグラスをボーイに渡す智くん。
「は、はい 失礼します」
頭を下げて 智くんについて行く。