第69章 やっぱお着換え
櫻井視点
雅紀のテンションを保ちつつ 着替えるコンテナに入る。
嵐ハウスと呼んだコンテナほどしっかり作りこんではないけど
「中 きれいだね」
入ってすぐの感想はこれだった
A「あ 着替え発見!」
雅紀は自分の着替えを見つけると早速着替え始める。
「早いね」
上着をハンガーにかけながら言う。
藤渕「お!もう着替えてるか?」
藤渕さんが入ってきた。
A「もう ノックぅ」
ふざけた声と一緒に胸を両手で覆う雅紀。
藤渕「悪い悪い」
大きなカバンを開け 五つある服の山の一つを入れている。
「ニノの?」
自分の着替えをしながら聞く。
藤渕「ああ だいぶオドを使っている 動かさない方がいい」
「よろしくお願いします」
頭を下げる。
A「それって ニノの?」
完璧に着替えた雅紀が近づいてきた。
藤渕「ああ そうだが?」
A「じゃ 俺 持っていきます!」
まだチャックが閉まっていないカバンに手を伸ばす雅紀。
藤渕「そうか」
ぐいぐいの雅紀におされる藤渕さん。
A「じゃ 翔ちゃん先行くね」
ササっとチャックを締めカバンを肩にかけコンテナから出ていった。
藤渕「あいつ じゃ 多くないか?」
「お急ぎモードなんです」
肩をすくめる。
藤渕「お急ぎって はー 翔様と久しく二人になることないので お伝えしておきますね」
一つ息を吐いた藤渕さんが少し表情を変える。
「さまって で なに?」
藤渕「”枝”をお使いになられたので 万全の用意をしておりますが 御姫(おひい)さまも来られるようです」
「お出まし! この宴に依り代でおこしだったの?」
藤渕「はい 野本が付いておりました お忍びのため 翔様にお伝えしておりませんでした ここでお詫びをいたします」
頭を下げる藤渕さん。
「いい 頭下げないで 野本さんが付いてたら 問題ないし」
M「松本入りまーす」
潤の声が扉の方で聞こえる。
「はーい この話は 潤にはいうなよ」
藤渕「はい」
藤渕さんの表情がやわらかくなる。
(もう 位を重んじるのは 良いけど めんどうなぶっち)