第69章 やっぱお着換え
二宮視点
藤渕「これ 飲んでおけ」
ポケットから小さな瓶を出す。
(見たことある
それって、超マズイ『毒消し入り回復薬』じゃないですか…)
大野さんをチラッと見る。
大野さんは藤渕さんが持っている瓶を見ている。
(えー せっかく…自力回復をかけたのに…)
藤渕「少しでも回復しておけ」
なかなか受け取らない 俺の手に無理やり握らす。
「はい」(怒られるより…マシだよねぇ)
瓶の蓋をおり、口をつけずに中の液体を口に入れる。
独特の甘味と香りが口に広がる。
(まっずい…)
ゴクンと飲み込んでからも続く嫌味な感覚。
O「まずいね」
飲んでいない大野さんが眉を潜める。
(口直しほしい…)
M「打ち上げは俺たちが回すから、じっとしてろよ?」
潤くんが心配いっぱいの目で俺を見る。
「そうですね。明日もありますので、(遠慮なく)大人しくしてます」
息を吸って 吐いて返事をする。
藤渕「二宮は動かない方がいいな ここで 着替えれるだろ?着替えを持ってきてやる」
俺の返事を聞かずに立ち上がって出ていく藤渕さん。
M「相変わらず 速攻タイプ」
もういない藤渕さんの事でぼやく潤くん。
O「ぶっちはいつもそうだよ な」
大野さんが俺の頭を撫ぜる。
「ちょっと…」
O「着替えと一緒に なんか甘い物持ってきてほしいなぁ 口の中気持ち悪い」
手は俺の頭のまま口をモゴモゴさせている大野さん。
「なぜ あなたが?」
(飲んだの私ですよ?)
O「見てただけだけど、味 知ってるから…」
半笑いの大野さんが急に抱きしめてきた。
「ちょっと 急に何」
O「俺のそばにいればいい」
大野さんの腕の力が強くなる。
(今は回復しろってことですかね…)
「はい」
大野さんの心地よい心音を直に耳で聞く。
(ああ あったかくて 気持ちいぃ…)
A「お待たせ!」
やかましい人が勢い良く帰ってきた。
O「早っ」
驚く大野さんが俺を抱きしめる力が弱まる。
(早すぎですよ…せっかくの役得だったのに…)
M「じゃ 次ぃ俺行く」
潤くんが立ち上がる。
A「マキで!!」
衣装じゃなくなって動きやすくなったのか腕をブンブン振っている。