第69章 やっぱお着換え
松本視点
モモ{前方 輿を引いた荷馬車がくる}
車の外にいるはずのモモの声が聞こえた。
ああ さっきの電話の事ねと思っていると車が止まった。
A「止まった! 今どこかな?」
そわそわしていた相葉くんが動き出す。
「お疲れ」の声と共に勢いよく車の扉が開いた。
外から入ってきたのは藤渕さん。
スタッフ「はい お疲れ様です」
スタッフくんが立ち上がる。
(おっと 俺も立ち上がりそうになった)
藤渕「着替えは今朝のをハウスにあったからそのまま 持ってきたぞ
身なりを整えてたら戻ってこい!」
藤渕さんの大きな親指が外に向く。
(さすが りっばなコンテナ持ってきた…)
A「じゃ!俺一番!」
相葉くんが勢いよく立ち上がった。
(一番はいいけど…)
藤渕「迅速に動け。待たせるなよ!」
A「はーい」
相葉くんが軽い返事をして車から出ていった。
(一人で大丈夫かな…)
S「俺も!」
翔くんが相葉くんを追って車から出ていった。
(翔くんが一緒に行ってくれれば安心だ)
藤渕「さて 二宮」
狭くはない車の中で冷静な藤渕さんの声が響く。
N「はい」
ニノが小さく返事をする。
(声が小さい
表情も見たいし もうちょっと近くに行こう)
スタッフ「外の警備に立ちます」
座っていたスタッフくんが小さくなりながら 外に出ていく。
(そうしてて)
相葉くんが座って居た所に座りなおす。
さっきまで翔くんが座っていた席に藤渕さんが座る。
(よし これで 詳しく聞ける)
ニノが身を固める。
(しんどいのか…)
藤渕「これ 飲んでおけ」
ポケットからガラスの小ビンをだす。
(あれは毒消し系の瓶だ)
藤渕「少しでも回復しておけ」
藤渕さんがニノの手に無理やり握らす。
N「はい…」
ニノは持たされた瓶の先端をおり、目を閉じ、唇をつけずに中の液体を口に入れる。
ゴクンと飲み込んまでに、数秒かかったように見える。
O「まずいね」
飲んでいない大野さんが眉を潜める。
体を小刻みに震わせ、瞳をウルウルさせるニノ。
(そんなに 苦いのか)
「打ち上げは俺たちが回すから、じっとしてろよ?」
N「そうですね 明日もありますので…大人しくしてます」
はぁー ふうぅと息を整えてから返事をするニノ。