第66章 嵐 コンサート フィナーレ
二宮視点
頭をゆっくりあげ 直立する。
M『 皆さん、今日は本当にどうもありがとうございました 』
潤くんが大きく頭を下げあいさつが始まる。
M『 めっちゃ楽しかったです 』
潤君の心からの気持ちが声に乗る。
(あぁ よかった)
少し 床を見る。
(まさか 自分が足引っ張るなんて思ってもいなかった…)
真っ白な衣装の内側 体中に巻かれた回復帯
衣装替えというより 包帯男作りみたいな作業を思い出す
(もう ひと踏ん張りだ)
M『 メンバーの皆さん ありがとう 』
潤君の たくさんの気持ちが詰まった言葉。
(いえいえ 私の方こそ…)
自分の行動で迷惑や心配をさせた たくさんの仲間に頭を下げる。
(自分の器の力の過信を恥じます 以後 気をつけます)
M『 16年目に向けて、僕らからこの曲を皆さんに贈ります 聴いてください』
〝season〟のイントロが優しく流れ始める
大型スクリーンに写真が映し出されたタイミングで
歓声が上がる。
潤くんが映像を確認する為に体を動かす。
(こないだの船の時の写真ですね…)
「パラパラ パッパァ…」
リズムを足と口で取りながら、歌いだしを待つ。
M『 踏み出す 夢の音を 』
潤くんが大きく息を吸って歌い出す。
A『 僕らは 感じている 』
少し震え気味のまーくんの声。
エアーギターをしなから二人の声を聴く。
O『 頬なでる風に光 』
優しく歌いだす智さん。
S『 見つけた様な気がして 』
凛とし声の翔さん。
美しい調べにのる二人の声を聴く。
『 咲いた 名もない花を君に届けよう 』
大きく息を吸って 歌いだす。
会場の白いライトの中から 小さい光が現れ 青い衣をまとい舞い始めた。
A『 消えることない思いと 』
O『 遠く離ればなれでも 』
色の違う光が先導で 舞っていた青の衣の小さき光が帯を引くように会場を周回する
その光の中心に モモと猴がいる。
(ああ また 迷惑をかけてるなぁ)
S『 心ひとつ つながってる 』
潤くんが拳を前に突き出している。
(つながるっと いうより 捕まえろ だな っく)