第66章 嵐 コンサート フィナーレ
モモ視点
すてぇじ に 辿り着くまでに猿頭を回収できて よかった
どんどん 幼くなる猿頭の衣を咥え振り上げ 背に乗せなおす
≪貴殿は 客であろう 嵐の中に行くで ない≫
宮{かずなりの歌を もっと 嵐の調べ よいものだな}
≪よいものだ さ 我が背という 特等席で 存分とたのしめ≫
(ここなら どんな 憂いも 訪れない)
宮{特等席 たしかに…}
背の毛を弱弱しく触っている。
(素の声が出ている 事に気づいていないな…)
O『 ひらひらと 』
きゃぷてんの声が会場に響くと 会場が静寂する。
O『 旅立ちを決めた思いは 今 誰のためでもなくて 』
きゃぷてんの声に乗って 薄衣が夜空に登っていく。
五『 思い出を 抱きしめながら 僕たちは 歩いてゆくよ
イマ
ヒトミの奥に 輝く夢は いつでも いつまでも
いつでも いつまでも… 』
長い道の真ん中で座る五人が肩を寄せて笑っていた。