第65章 嵐から 挨拶
猴宮視点
・ ・・ここは…
透明と言ってもいいくらいの白い毛の中で目を覚ました
モモの 背 である か…
そのやわらかさをまどろみながら感じていると
急に モモが姿勢を正したせいで 降り下ろされた。
天地を数度確認し わが身を安定させる。
いったい 何事ぞ
嵐の五人が舞台に立っていた。
ふうっと 緊張が抜けていくモモ。
状況がわからないから{大事か}と問うてみた
モモ≪貴殿の程ではない≫
そっけない返答が来た。
なんという物言いだ!っと言うてやろうと思ったが 自分の姿を見て、やめた
(なんと 穢らわしい…)
バチンと指を鳴らし、衣を整える。
(これでよし…)
N「パラパラ パッパァ…」
和也の曲のリズムを口ずさむ声が聞こえた。
{次の歌へ進んでいたな}
足を胡坐に組み 和也のほうを向く。
O『 遠く離ればなれでも 』
S『 心ひとつ つながってる 』
松潤が拳を突き出すと、ゆっくりモモは頭をさげた。
(まったく お前はいつまでも…)
モモの頭に軽く手をのせ 叩く。
モモ≪やめよ≫
モモが頭を大きく振ってのせた我の手を振り落とす。
{な!}
その反動でくるんと体が空で回転し モモから離れていく。
{あれ ぁれ}
先ほどと同じ回転なのに、体が安定しない
N『 咲いた 名もない花を君に届けよう 』
体の位置を整えながらカズナリの声を聴く。
{よい よいのう}
『 ひらひらと花が舞う頃 僕たちは 歩いてゆくよ 』
白いライトの中に青い衣で踊っている精霊の中、一つ違う衣をまとった精霊がいた。
{あの 光は…}
その光を見ていると 光の方が近づいてきた