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虹と花とキミ達と 2 《気象系》

第1章 ハワイの朝


二宮視点

{和也さま?}
お嬢の声が聞こえる。

 頬を何かがつたった気がした。


「ん そうだね…」
頬を擦ってお嬢に返事をする。


 お嬢がジッと俺を見つめる。


(う…そんな 目で俺を見んなよ)

「お嬢ぉ♡ 相葉くんを頼むねぇ🎵」
お嬢の大好きなアイドルスマイルを贈る。


{むふぅぅぅぅ}
 お嬢が鼻息を荒く、高揚する。


{雅紀様のお体は、この‘お嬢’めが力ある限りお守りいたします。
 お心は、どうか和也さま〝嵐〟さま方がお守りください。
 触手の脅威はいつでも蔓延っております}


「ああ…」


{では、行ってきます♡}
長い尾の小さな猿お嬢が駆け出し、消えて行く。



 一気に部屋の温度が下がった。


(ふー お嬢がいるだけで こんなに 温度違うんだな…)


今日の移動服に手を伸ばす。




(猴や楓の心残りを ちゃんと 俺が成し遂げてあげないと


 次の俺が大変だよ

 次の俺に“みんな”みたいな〝いい人〟がいるとは限らないもんな…)




〝今から部屋に行きます 二宮〟

カードキーを抜き取りながら、翔さんに返信する。







  コンコン
翔さんの部屋の扉をノックする。



  カチャ
 扉がすぐ開く。


S「早いね おはよう」
 翔さんが笑顔で迎えてくれた。




「おはようございます」
中に入ると コーヒーの匂いがした。


「コーヒー淹れたの?」
キッチンの方に近づく。


S「インスタント入れた 薄くてびっくり!!」
 扉を閉めた翔さんが部屋に戻って来た。


(同じ「メーカーあったでしょ?」確か全室同じ装備だったはず…)


S「あー あったけど、俺んちと違うから…」
 翔さんがいい挑む。

(インテリ…な癖に不器用なんだよねー
「飲む?」入れようか?)


S「入れて!!」
 キラキラ目を輝かす翔さん。


(そんな目をするから 良からぬ奴らに言い寄られんですよ
 まぁ 我々がいれば 大丈夫なんでしょうけど…)


コーヒーメーカーのフィルターに缶に入っている挽いた豆の粉を三杯放り込む。


(お代わり分も だよね…)

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