第1章 ハワイの朝
相葉視点
体が左右に揺れる。
「着きましたよ?」
誰かの声が聞こえる。
(ん?)
目を開けると、目の前に日翅ちゃんの顔。
「! あれ? おはよう?」
今 自分がいる場所が分からない。
本郷「移動中に寝ちゃったんですか?」
後部座席のドアが開いた状態で話し続ける日翅ちゃん。
(あー ジョギング行って、ホテルに帰って来たのか…)
ゴソゴソ車から降りる。
本郷「部屋帰ったら、直ぐシャワー浴びてくださいね」
日翅ちゃんが部屋のカードキーと携帯の入った袋を渡してきた。
「サンキュ。」
受け取る。
本郷「あ!」
日翅ちゃんが大きな声を上げる。
「ん?」
振り向くと、日翅ちゃんが口を押えている。
「なに?忘れ物?」
本郷「いえ…なんでもありません」
車からマウンテンバイクをおろしている日翅ちゃん。
(忘れ物したんだね…)
「俺 先に部屋に戻るね」
日翅ちゃんに声をかけて、エレベーターに向かう。
(ん…)
誰もいないフロアに“ニノ”の気配を感じた。
気配は 上の方からする。
(早く帰ってこい?なのかな?)
エレベーターに一人で乗り込む。
(あ…)
携帯に着信のランプが点滅している。
(ニノかな?)
携帯には一斉メールが一件入っていた。
“本日のタイムスケジュール貰いました。
集合時間9時までに一度 目を通すなら 俺の部屋に来て
櫻井 ”
(翔ちゃんからかぁ それも 業務連絡…)
携帯を袋に戻す。
(宴の高揚は器には反映されないのかぁ ちょっと 残念)
チン
部屋のある階にエレベーターが止まる。
アイボリーの廊下を通って自分の部屋に向かう。
翔ちゃんの部屋をみる。
着ているTシャツを抓んでクンクンする。
(先にシャワーだね)