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虹と花とキミ達と 2 《気象系》

第63章 嵐 コンサート 終盤


白オオム視点

アイボリーとブルーのライトが照らす舞台で
バイオリンとドラムのリズムで、大きく息を吸った。

(おお〝Your Eyes〟じゃな)



A『 君の 優しさが 聴こえて くるよ 』
 せりあがるステージの淵に立って歌う相葉。


(いくら 食べさせても ちっっとも 大きくならなかったヒナビト
 このまま 凡人として 巣立たそうかとも 思っていたが…

 良い仲間ができ あれほどの大きな羽を広げる者に成長するとは…

 うれしいなぁ)


戦気が抜けた狼コマの近くまで、この木を移動させる。


 木に止まったままで近づいてくるワシをチラッと目でみるコマ。


『アラシの唄は、そなたを写しているようだな…』
声をかけるが 反応はない。


(優しき主たちは、我らの嘘を どこまで知っておるのかのうぉ)
言葉にしては いけないか 心で思う。


『コマよ

 そなたがもう少し 下位であり
 ワシがもう少し 上位であれば

 我らが生きた時代も このような綺羅びやかな世界であったであろうか?』



モモ《ボスは タラレバ という物を嫌います
  私も 同感です

  戯言をいつまでも 言っていても なにも変わりません》
 こちらを向くこと無く 淡々と返事を返してきたコマ


ステージから歌唱をしない時、鋭い視線を感じた。

 その視線の元に顔を向けるとステージ上の松本がこちらをじーっと見ている。

モモ《ボ、ボス!》
 コマの体が一気に毛を逆立て、身を引き締める。


 他のメンバーは大きく手を降って歓声に答えている。


松本がほほ笑むことで コマの緊張が抜けていく。



『 泪 ひと粒 手のひた 流れ 新しい夜明け 』




少しづつ黄色のライトが入って行く


A『 始まりのLight 』

会場から歓声で この歌は終わった。

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