第63章 嵐 コンサート 終盤
モモ視点
(ボスが アラシが夜の演出演武を披露する 終盤になって…
水を挿すのが身内であったモノとは…
やはり 猿頭は、きらはし者だ)
高貴な方々を招待したはずの 場所から宴に相応しくないモノがあふれ 流れてくる。
ボスの配下の“WolfDog”が地を走り‘楯’を立てていく。
翁の飛天たちが 切っ先輝く槍を立てて 飛んできた。
(人に 見えにくい 夜闇で払う判断か… 良いでしょう…)
自身の体も戦闘のできる姿に変化させ、流れ出るモノの動きをみる。
(俺の戦気を感じないのか…)
飛天にも 俺にも 獣化した“WolfDog”にも反応せず 早くもないが真っ直ぐ壇上で 歌い踊る嵐に向かっていく。
(我々は 宴主の従者だ 招待客に対して嗷議(がうぎ)はあってはならない)
ジリジリ 間を詰め 出方を伺う
N『 貴方が いたから 生まれてきたんだ 』
ニノが歌い始めると
流れ出したモノの形状が忙しく波打ち鋭い無数の棘を表面に表した。
≪鎮まれよ
その棘一つ我が主たちに 飛ばすならば こちらも 打って出る!≫
警告も兼ねて 声を上げる。
一瞬 棘がおさまるが、直ぐにザワツキ 本流の流れが海に向きを変えた。
(ドコに?)
海の方を向くと
さっきまで桟敷間に座っていたはずの猿頭が、両手を広げて 大きく振っている。
流れが急に加速 一本の杭のように、猿頭の方に飛んで行く。
『猿頭!!』
杭を追うように走る。
猿頭の側にはブッチが剣で その攻撃を受け流していた。
ブッチ『総員』 ≪排除≫
槍を持つ飛天たちが 散らばる流れていたモノを払いはじめた。
飛び散る霊的破片が 観客の人に影響しないように、演出で使用している 炎を模して 焼く。
(少しでも イレギュラーを 演出の一環に組み込んで…)
ヒワが≪客席結界強化≫を掛けた。
(ヒワは ヤツの門下としては 良い男だ 主たちも信頼を寄せている…)
鳥「うまい うまい ははははは」
散らばった ナレのハテ を甲高い声を上げ喰らっている鳥がいる。
ちょこまか ちょこまか 飛天の間を飛び交っている。
『うっとうしいわぁぁ』
雄叫びを上げ ナレのハテ 一掃する。