第62章 〜インタビュー映像〜 メインステージの下
松本視点
ニノの場所まで来た。
後ろにいるはずのニノを確認する。
スタンバイの場所に入るニノが「ごめんね」と呟いた。
( ごめん は 違うよ…でも…)
ニノの憂いが少しでも晴れるように「問題ない」と言葉と態度をとる。
ニノは何も言わなかった。
(切り替えたんだろう…)
腕時計をしていないのに つい癖で腕を見てしまう。
オレの場所から手を振る人が見えた。
(やべな)
自分もスタンバイ場所に走りこく。
スタッフ「準備OKです!」
両脇に控えるスタッフ。
「ワリーな」
自分の台に上がって周りを確認する。
メンバーの周りにスタッフが集まっている。
「堂々と立ってて」
メンバーみんなに声をかけている。
相葉くんが軽く手を降って反応してくれた。
その手がものすごくホッとした。
(自分に言ったのかもな …)
上のステージが暗転し、ボーンっと古時計の鐘が刻を告げる。
スタッフ「まもなく!」
ボーンっと古時計の鐘の音が響く。
「スタンバイ!」
俺がすべてのスタッフへ合図をする。
N「レリー!」
ニノのカウント開始の合図をする。
‘Tree, two, one,’
リフトの上にしゃがんで指でカウントする。
‘go!’
手のひらを広げ 上に突き出す。
リフトが一斉に迫り上がる。
五人でそれぞれカウントしてステージに登場する。
(さぁ 終盤の始まりだ)