第62章 〜インタビュー映像〜 メインステージの下
相葉視点
急いで衣装を抜いて、次の衣装に着替える。
オレの周りにスタッフがタイミングを見ながら、髪形やメイクを直していく。
(みんな プロだよね… 日翅ちゃんなら コウは行かないよね…
次は終盤の派手に登場するジャンプアップ!
リハーサルの時 テンション上げ過ぎて ニノに怒られえた…)
自分のスペースから少しだけ顔を出して、そうっとニノの方を見る。
(なんか ニノの〈こっち見るな〉って声が聞こえそう…)
「ふうぅぅぅ」
大きく息を吐く。
スタッフ「どうかされましたか?」
「ううん 深呼吸」
黒と金のジャケットに袖を通して、鏡の前で自分を確認する。
「よし 準備オッケイだね ありがとう」
スタッフ「はい」
出したマイ道具たちを片付けながら返事を返してくれる優しいスタッフ。
スタッフ「スタンバイお願いします!」
タイムキーパーの声が聞こえた。
「はい 行きますよ」
自分の場所から体を出すと、鋭い目をした潤ちゃんがインカムを触りながらこっちに向かってくるのがみえた。
(ニノの所行くのかな…)
道を開け、潤ちゃんの背中を見る。
その後ろに心配そうな顔で潤ちゃんを見ている大ちゃん。
「先 いくね」
大ちゃんに一声かけて、ジャンプアップの板に向かって歩き出す。
(俺がいたら、ひねくれるから、いない方がいいんだ…)
メインステージの下からジャンプアップする予定の板が並んでいる。
「よろしくお願いします」
待機しているスタッフ達に声を掛けながら、表情を見ていく。
(よしよし 寄生虫はいないな…)
O「相葉ちゃん!演出変更!!」
大ちゃんが走って来た。
「え? ドコ?」
大ちゃんにこっちからも近づく。
O「スライドアップ キューは自分たちで出す! だって!」
「スライドかぁ ジャンプ… ぅ?」
大ちゃんの視線を感じて顔を上げる。
大ちゃんが心配そうな顔をしている。
「うん 分かった」
急いで大ちゃんに返事を返す。
大ちゃんが小さく頷くけど表情が硬いまま。
「もぉ 大ちゃん! 顔 硬いぃ」
大ちゃんの頬をつつく。
O「ふふ ほぐしてくれてありがとう」
「いいえ ガンバだよ」
大ちゃんの表情を確認できたから、両手をヒラヒラさせながら自分の板に戻る。