第62章 〜インタビュー映像〜 メインステージの下
大野視点
ステージの照明が暗転した。
クスリーンにはインタビュー映像が流れているから、真っ暗にはならない。
空間がザワザワしている。
(う~ん 暑い…)
背中に汗が流れる。
スタッフ「こちらです」
懐中電灯を持ったスタッフが近づいてきた。
(あ!
こいつ 俺に『動くな』っていったスタッフだ…って事は 橋もっちゃんの下の者か…)
スタッフ「暗いですので、お気を付けてください」
「ああ」
スタッフについて 自分のスペースに向かう。
少し歩いて行くとニノが誰かに支えられているのが見えた。
「大丈夫か?」
ニノに近づく。
振り向く二人。
(ああ 浜ちゃんか…)
N「うん なんとか…気を抜くとコレだよ…」
ニノが支えられながらふくらはぎを指さす。
(ふくらはぎ? 片方の足も浮いている…
さっきは よく見えなかったから 流したけど
その顔は 疲れの顔じゃねーな)
スタッフ「大野さん?」
一緒に歩いていたスタッフが追いついた。
「あ(監視が付いていたんだ)うん 今行く」
軽く合図を送る。
(でも その前に)
「浜ちゃん ニノの事よろしくね」
二度ポンポンと浜ちゃんの肩を叩いて離れた。
(今は 単独行動できないし…)
自分のスペースに入ると次の衣装や飲み物が用意されているけど、橋本がいない。
(あいつ…は)
スタッフ「橋本さんは今、松本さんとお話し中です」
質問する前に横の人がすぐ答えてくれた。
「あ…そう…」
(俺って 言葉にしなくても 考えてる事 バレるのかな?)
飲み物を口にしながら体を拭く。
髪も自分で乾かす。
(やっぱ…気になるなぁ…)
姿見の鏡を覗き込む。
(でもなぁ 今から 歌うし コイツを…)
スタッフ「スタンバイお願いします!」
スタッフ達が次の登場の準備をしている。
A「先行くね」
相葉ちゃんが俺に声をかけてきた。
(もう行くのか…)
松潤が、結構怖い顔してニノの方に向かっていく。
(ああ 松潤に付いて行けば 動けるか!)
ニノの今を確認に行く。
スタッフ「あと、1分!」
カウントがはじめる。