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虹と花とキミ達と 2 《気象系》

第58章 MC中お着替えと 奔走 4


櫻井視点

ステージ下に戻っても誰も来ない。

(あぁ 吉桜は ムービーとってたな)

足早に自分のスペースに戻る。


 ニノのスペースでスタッフたちが慌ただしく出入りしている。


「ニノどうしたの?」
ニノの所から出てきたスタッフに問う。

スタッフ「腰やっちゃったみたいで、左足が痺れるって…」
 腰を触りながら答えるスタッフ。

(そういう 事にしてあるんだな)
「…わかった」


(今回はこの空間も映像化する為に固定カメラも設置してある だから 外部に情報が流れるのは目に見えている)


今着ている服を脱ぎ 用意されているタオルを自分で取って

しばらく体の汗を拭く。

(智くんが 追い出されたって 事は あまり 良くないのか…)

 次の衣装に手を伸ばした時、橋本さんがやって来た。

橋本「櫻井さん」

「はい 何ですか?」
(橋本さんが 俺に 直接か…)

橋本「二宮さんの事で お願いがありまして…」
 二つ折りにした紙を差し出す。


「ん」
出された 紙を受け取り 内容を確認する。


 紙の中には 何も書いていなかった。


桔梗{さすが 翁 これなら 確実ね}
 耳側に桔梗の声

(桔梗?)

桔梗{今 見せてあげる}

桔梗が何も書いていない紙に触れると 頭の中に映像が流れ込んできた。


 ニノの小猿霊体が ヘリポートで 知らない男に すり抜けられる 真っ黒になる

 浜地さんが空から飛んできて 小猿を回収していく

 犬養くんや 眷属スタッフが陣を張り直している間に 俺たちのステージに 和也が戻って来た。



「はぁぁぁ」
大きくため息をして 下をむく。


(…俺の 知らない所で 和也 何やってるんだ)


 橋本さんが何か言葉にしようとしている。

「ん」
掌を橋本さんの方に向け首を振る。

(大丈夫 落ち着いてます)


 橋本さんが小さく頷いてから話し始めた。

橋本「二宮さんに坐骨神経症の簡易的処置として、痛み止めの注射をして 安静にしていただいています。

 櫻井さんがお着替えが終わりましたら ご一緒にステージに戻っていただけますか?」


「わかりました 急いで 着替えますね」
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