第54章 MC中お着替えと 奔走 1
松本視点
「無理するな」って言ってもニノが「大丈夫」って言うに決まっている
それでも、言ってしまうようなニノの背中を見ながら裏に入る。
裏に入ると 浜地マネが立っていた。
(ニノを待っていたのか…)
目の前を歩いていたニノの背中がいきなり消えた。
「え?」
ニノが階段の段を踏むことなく真っ直ぐ前に倒れていく。
「にの!」
手を伸ばすけど届かない
浜地さんが両手を広げニノを受け止めた。
「浜地さん」
階段を駆け下りる。
「大丈夫?」
浜地「はい」
ニノを抱きしめてまま、大きく息を吐く浜地さん。
「ニノは?」
浜地「今 回復を」
淡い黄緑の光が浜地さんの右手から溢れニノの背中を照らす。
N「浜地?」
寝ぼけたような声でニノが目を覚ました。
浜地「よかった」
ふうっと息を吐く浜地さん。
「ニノ! 大丈夫?」
ニノの額に手を持って行く。
N「潤くん?」
俺の顔をみて驚くニノ。
(うん 熱はなさそう…)
N「ごめんね 大丈夫だから… ゥッ」
浜地さんの胸をグッと押し、一人で立ち上がるが、すぐ崩れそうになるニノ。
浜地「二宮さん」
浜地さんが立ちかがる。
「おい 大丈夫か?」
ニノの脇に腕を入れる。
N「大丈夫じゃないみたい…腰やっちゃったかも」
へへへっと笑って腰を擦るニノ。
「マジか… じゃ先行って、スタッフに言っとく」
N「ごめん よろしく」
ニノが腰のあたりを抑えている。
「浜地さん ニノよろしくね」
浜地「かしこまりました」
頭が少し動かす浜地さん。
≪誰かいない≫
自分のスペースまで行くまでに声を上げる。
≪はい!≫
眷属スタッフが走って来た。
≪至急!“楯”ぇ 立てかけて!≫
少し息が上がっているから、声がかすれる。
≪ニノがアテラれた…もっと…もっと 強い楯を張れ≫
≪了解です≫
眷属スタッフが走り出した。
「あ ごめん」
一番近くのスタッフを呼び止める。
スタッフ「はい どうしました」
「ニノが腰が痛いって 医療チーム呼んで」
スタッフ「今すぐに」
自分のスペースに入ると、着ていた服をバンバン脱ぎ捨て、着替えていく。
(急いで着替えて ニノの時間を作らないと)