第53章 1日目 《MC》 1
櫻井視点
『ちょっと、あれよ!お二方っ』
ステージ裏に入って行く背中二つに声をかける。
N『はいはい』
振り向かなぐ返事するニノ。
『あの、別に…
自信が無いとか そういうワケじゃなくてぇ
早く着替えてねっ!!』
手を振って見送る。
M「オッケー♪」
N「それは大丈夫ですよぉ!」
潤は笑ってくれたが ニノはコッチを向いてくれなかった。
「さてさて。15年ですか…(ここでの話題 あ!)
そうそう、15年前に乗った船をね、見たんですよ。実際に』
A「見たね。あんな感じだったっけ?ってね」
『あのー、向こうに展示されてると思うので
もう見た方もいるかな? 見ていってくださいねー』
船が停泊してある方に手を向ける。
『相葉さん、ハワイに来て楽しみにしている事 何かありました?」
A「デビューの15年前に行った場所に行きたかった!」
『今回、その懐かしい場所に行った感じはどうでした?
例えば、パイナップル畑行ったけど?』
A「ぜんっぜん憶えて無かった!
ほんとに!!憶えてないでしょ?」
雅紀が智くんに同意を求める。
急に振られて、少し驚いた顔の智くんが首を振る。
(兄さん…声に出して…)
O『ないない』
マイクを口に持って行って返事をして、笑顔になる智くん。
(俺 声出てたかなぁ)
A「憶えてないでしょ? 俺だけ仲間外れにしたけど、憶えてないでしょ?」
顔が何度も俺と智くんを往復する。
(たく 雅紀は主語が無いから このクダリで内容分かる人 すくなって…)
「やっぱさぁ デビューということに関しては ものすごい思いで深いわけじゃない?
だけど、15年っていう歳月は なかなか、ハードルが高かったね」
A「そうなんだよ」
O「そりゃぁ、そうだよ。だって…
みなさんだって 15年前を憶えてないんだよ、絶対!」
観客の方を向いて 同意を求める智くん。
(話 飲み込んだ)
「ははっははっはは!!」
会場のあちこちから笑い声が聞こえる。
O「なんっにも憶えてないっ」
「そうだねぇ」(そうゆう事にしましょう)
A「そうだよ!」
力いっぱいな雅紀。
(これ以上 話 膨らまないね…)