第53章 1日目 《MC》 1
“ニホンノミナサーン”
海外スターのように片言で手を振ってカメラの抜きを俺に集中させる。
S『なんか変なスイッチ入っちゃったね
海外からのメッセージだけど、別に片言にならなくていいよ」
翔くんが俺の即席キャラを止めに来た。
S「さぁさぁさぁ 日も暮れてきました。
どうしますぅ? 着替えます? だれから行く?」
唇を尖らせ目をキョロキョロ動かす翔くん。
N「じゃあ…」
手をゆっくり上げるニノ。
「じゃあ 俺も…」
手を上げる。
A「じゃあ・・・?」
ダチョウさんのネタの様な動きをし始める相葉くん。
(いや 今はソレいいよ)
N「着替える?」
首を傾げるニノ。
A「・・・じゃあ… 残ろうかなぁ…?」
チラッと俺を見てリーダーの方を向く相葉くん。
O「僕はどっちでも大丈夫」
ん っと ばかりな顔をして 返事をするリーダー。
A「残りましょう!ふふっ」
うん っと大きく頷いて 笑い始めた相葉くん。
O「急がないと」
リーダーが夕日を指さす。
N「急がないと ね!」
気合いを入れるように 顔を上げニカッと笑うニノ。
「いこうかぁ」
N「…ぅん」
カメラがある方に背を向けた途端 顔から汗が流れ落ちる。
(ヤバい これは マジヤバいヤツ)
カメラとか 観客がいなかったら 肩でもなんでも貸して歩くけど、今はコンサートのMCタイム もし 公にできない攻撃だったら 辻褄が合わなくなる
S『ちょっと、あれよ!お二方っ』
翔くんがいきなり声かけてきた。
(ちょっと この状態で 呼び止めないで 翔くん)
N『はいはい』
ニノが振り向かないで返事する。
S『あの、別に… 自信が無いとか
そういうワケじゃなくてぇ 早く着替えてねっ!!』
翔くんが手を振っている。
「オッケー♪」
どこから撮られているか分からないから笑顔で手を振る。
N『それは大丈夫ですよぉ!』
ニノが声を絞り出す。
「あんまり無理するなよ」
N「大丈夫だよ 大丈夫…」
平然をよそおって ステージの裏に入るニノ。