第48章 コンサート会場 開場 嵐登場まで
松本視点
衣装に着替え本番に備えて 最終準備をしている
スタッフ「すみません」
小走りでスタッフがやって来た。
「なに」
スタッフ「ヘリでちょっと…」
(おいおい ヘリの不具合一番困るんだよ…)
「ん 分かった すぐ行く」
「翔くん 俺 先 ヘリ行くね」
一番近くにいた翔くんに声をかけて走り出す。
出発場所でエンジンのかかったヘリコプターの周りに数人のスタッフが立っていた。
「どうした 何があった?」
人の輪に入って行く。
スタッフ「お呼びだてしてすみません」
その中の一人が頭を下げる。
「いや それより説明を」
頭を下げたスタッフが顔を上げると、人の声でないで話し始めた。
{このヘリという 飛ぶ鉄船 いま -浮き雲の思ひ-によって不調である}
(浮雲?確かに天候は曇りだが…)
ヘリの羽は回転しているのにその周りを煙幕の様な幕が覆いかぶさっている。
(アレが不調の原因… 説明できないなぁ)
「みんな呼んできてくれる?」
側に居たスタッフに声をかける。
スタッフ「スタンバイですか?」
「うん 呼んで」
スタッフ「はい」
スタッフが走って行く。
「あっちのブースに、コッチが押したら、サンセットの所で調整するって伝えといて」
スタッフ「はい」
ヘリの前でこの煙幕の事をどう説明するか、ましてさっきの-浮き雲の思ひ-とは何かわからないまま、メンバーを待っていた。
真っ先に来たのは対照的な二人だった。
「なに 二人だけ?」
唇を尖らすニノとニコニコの翔くん。
説明して!!と言よりも早く翔くんが「今ね、ニノと話していたんだけど」と食い気味に話始めた。
S「なぁ にの」
ご機嫌な翔くんがニノの顔を覗き込む。
N「え?なに」
びっくりした顔のニノ。
(ニノは初耳な感じだよ 翔くん 状況が見えん)
O「どうしたの?」
そこに少しだけ遅れてリーダーと相葉くんが合流。
S「ん 今ね、ヘリに乗り込むところも映像にしないって話してたの」
ニコニコ笑顔の翔くん。
O「へー いいんじゃない」
パッと笑顔になったリーダーが俺を見る。
「リーダーが言うなら…」
(問題はないと思うけど 時間…押すかな…)