第48章 コンサート会場 開場 嵐登場まで
衣装スタッフ「ジャケットです」
スタッフがジャケットを持ってきた。
ニノが無言で受け取り歩き出す。
A「あ!まって まってよ」
よろよろ 足をもたつかせて歩き出す相葉ちゃん。
衣装スタッフ「あ 相葉さん」
衣装スタッフがジャケットを追って相葉ちゃんに声をかける。
相葉ちゃんはニノの背中を見つめている。
「ああ 僕が持って行くよ」
(今の相葉ちゃんは 俺らじゃなく近づけない…)
相葉ちゃんの肉体は歩いている。
心は不安定に彷徨っている。
(コンサートの時は 些細なことで 揺らぐ…
まぁ 俺も あんまり人の事言えないけど…)
空間の境をゆっくり滑って相葉ちゃんに声をかける。
ふわふわ揺れる相葉ちゃんが ありがとう と呟いて受け取る。
いつもの太陽のような笑顔が無い。
「そんな顔しない(ほら 落ち着いて…)本番だよ 笑って!」
無理やりくっと口角を上げた相葉ちゃん。
「そうそう」
ポンポンと背中を叩きながら歩き出す。
ヘリまで来ると「え?なに」とニノが驚いた声を上げった。
「どうしたの?」
S「ん 今ね、ヘリに乗り込むところも映像にしないって話してたの」
ニコニコ笑顔の翔くん。
「へー いいんじゃない」
腕を組む松潤を見る。
M「リーダーが言うなら…」
S「よし! カメラは ここから映して!ほらニノ行くよ」
テキパキと周りに指示する翔くん。
N「え?」
M「じゃ よろしく」
松潤がレシバーを渡す。
N「あ…はい…」
レシバーを手に持って把握してない顔でとりあえず動き出すニノ。
いつもなら一番に動き出す相葉ちゃんが動かない。
「相葉ちゃんも 撮影だって」
トントンと背中を押す。
A「あ うん」
付いて生垣の方に行く。
N「じゃ 今行きます」
レシーバーに向かって声をかける。
歩き出すニノ。 だたついて行く相葉ちゃん。
S「やっぱ 切り替えにならなかったかぁ」
翔くんが小さい声でつぶやく。
「大丈夫だよ いきなりヘリより間があってよかったよ ありがとう翔くん」
S「さ 我々も行きましょうか」
「だな」
カメラの前にちょっとふざけて通り過ぎた。