第45章 リハ終わりの休息
大野視点
浜ちゃんにもらったお茶を口の中に少しだけ入れる。
(はぁぅ さすが浜ちゃん、適温…)
ピピっ 小さな電子音が聞こえた。
顔を上げると翔くんがコッチを向いている。
S「調理来たみたいです」
ウインクする翔くん。
(ふふ そんなことまで報告しなくていいのに…)
翔くんのマネージャーがビニール袋を腕にぶら下げ、大きめの箱を何段も重ねてフラフラしながら入って来た。
S「きたきた💛」
いそいそと入口の方に行く翔くん。
(翔くん…お腹空いてたんだなぁ…
ニノ ちょっと 疲れてるね…)
S「どれから食べますぅ」
トングをカチカチさせながら俺に声をかけてきた。
(え? なんでもいいけど…)
料理に目をやるとまだ 何も動いてなさそうだった。
(翔くんが食べたい物を先に取ればいいのに…
きっと 俺が食べたないと自分は食べれないとか、メンドクサイ事考えてるんだろうなぁ)
俺の指示をキラキラした目で待つ翔くん。
「うーん(どうしよう…本当に何でもいいんだけど…)
ニノがコッチを見ている。
(あぁ… 前に…『おすすめを少しずつ』だったかな…)
結構前にニノが教えてくれた言葉を翔くんに言う。
S「かしこまり!」
さっさっと 動き出した翔くん。
ニノの口角が上がっている。
(当ってたみたい…)
S「お待たせししました」
お皿を持った翔くんが近づいて来る。
「いつも ありがとう」
S「いいえ 智くんの好みは熟知してますので」
差し出されたお皿に一口で食べられるような物が乗っている。
(やっぱり 翔くんは優しいねぇ)
S「カッコよかった?見惚れてますよぉ」
珍しく茶化す翔くん。
「うん カッコよかった」
何度もコクコクと頭を下す。
(かっこよすぎで もったいないよ)
S「にっ ニノの分も取って来るね!」
耳まで真っ赤になった翔くんが高速で料理の方に走って行く。
「ニノの分も…」
ニノに話しかけよと体を動かすと、ニノがぼうっと焦点の無い目をしていた。
(どぉ… ぁ… 相葉ちゃんがいないからなぁ…)
S「はい。ニノの分」
N「え?俺の?」
S「そうだよ」
(あ 意識帰って来た…)