第44章 通しリハ
大野視点
本郷「相葉くーん」
相葉ちゃんのマネが大きく手を振っている。
(動物園の かぁ)
A「はーい 今行く!! じゃ 行ってきます」
相葉ちゃんも大きく手を振って返事をして、ニノに声をかけて走りだす。
N「はい いってらっしゃい…」
片手をヒラヒラさせているニノ。
相葉ちゃんがマネと合流したあたりから地面を見つめているニノ。
(そんな顔すんなよなぁ)
「にの」
ニノが警戒しないように声をかける。
ニノが今にも泣きそうな顔でゆっくり俺を見る。
「俺たちと飯ぃ行こう」
後ろで、段取りをしているであろう 翔くんを親指で指す。
N「軽めなら…」
翔くんの行動を見ての、反応だろうボソッと呟く。
「うん 一緒に行こう🎵」
ニノの肩に手を置き押す。
N「ちょっと この角度歩きにくい」
よろよろ後ろ歩きになるニノ。
「でも 歩けるでしょ?」
N「普通に歩くから」
ぐいっと俺を押して普通に歩き出すニノ。
(なんだよ せっかく顔見ながら歩こうと思ったのに…
相葉ちゃんがいなくて 寂しいオーラ駄々漏れのニノの顔…)
N「それより 翔ちゃん置いて行っていいの?」
覗き込む俺からプイッと顔を背けるニノ。
(もう 話変えようとしてもダメぇ)
「晩飯頼んでくれるって🎵」
ニノにくっ付いて歩く。
N「ずいぶんと機嫌良いですね…」
ひねくれた言い方のニノ。
(ん~ 機嫌?)
もう一度ニノの顔を覗きこむ。
ニノの額に大きなシワ。
(イケメンが台無し…)
「こういう時には、誰かと一緒に居た方が良いんだよ」
そっとニノの額を撫ぜる。
N「何するんですか もう!」
パシンと俺の手を払い下して先にドンドン歩いて行くニノ。
「まってよぉ」
(ちょっと からかい過ぎたかぁ…)
カメラマンを引き連れて近づいて来る翔くんの気配を感じる。
(ニノの顔をカメラに撮られるとまずいかな…)