第44章 通しリハ
大野視点
本郷「どこですか?」
お盆のもった相葉ちゃんのマネをしている本郷の家人。
(はぁ 相葉ちゃん……
あれほど、一人になっちゃダメって、ニノに言われているのに…)
S「どうしたのかな」
声の方をみる翔くん。
(翔くんが出て行かなくても
「大丈夫だと思うよ?」 あの 家人…あー見えて有能だから)
S「そう?」
俺の顔を見つめる翔くん。
(あ…翔くんは裏の顔 知らないかぁ)
「うん 翔くんはニノの方よろしく…」
翔くんが安心して行動できるように笑顔を作る。
S「ふふ 了解」
俺の肩から手を離して自分の立ち位置に向かう翔くん。
“Love so sweet”から始まる中盤は、翔くんはニノと松潤と。
俺は相葉ちゃんと一緒にステージの両端から登場する。
S『僕らには花がある』
翔くんの“温かい手”と“声”を思い出しながら そっと花を触る。
(この花に相応しい 演舞を披露しないと…)
ゆっくりスタンバイ場所に歩いて行く。
スタンバイの所に相葉ちゃんと本郷の家人が話していた。
「あ…いないとおもったら もう 来てたんだね」
ゆっくり相葉ちゃんに近づく。
A「“短縮する”って言ったら、待ってたよ?」
きょとんと不思議そうな顔をする相葉ちゃん。
その横で、全力脱力している本郷の家人。
(他家だけど、なんか可哀想…)
「平気そうだね よかったね 本郷くん」
労いの言葉を贈る。
本郷「はい そのようです」
ハンカチで顔を拭くいる本郷の家人。
もしかして 俺 探されていた?
相葉ちゃんの心の声が聞こえる。
「探していたのは 本郷君だけだよ」
あぁ そうなんだ
相葉ちゃんの心の声が納得している。
“Love so sweet”のイントロが流れだした。
「はじまったよ 行こう」
先に階段を登っていく。
A「うん」
後ろに付いてくる相葉ちゃん。
ステージに出ると、さっきまでの暗い曇りから 薄日がさす曇り空になっていた。