第44章 通しリハ

相葉視点

　ステージの真下の着替えブースで次の衣装が準備されていた。

俺のブースは一番隅


吊り下げてある衣装の中から白いパンツを取る。



ｽﾀｯﾌ「映像時間短縮可能です　お着替え後スタートします」
　スタッフの声が聞こえる。


（あー　短縮ね…）
サクサクっと着替える。


みんなの所にマネージャーが集まるのに、俺の所にはこない。



（日翅ちゃん…ドコ行ったのかぁ　外かな…）





　ステージの裏に行くけど、誰もいない。



（スタッフもいない？）



　さーっと風が前髪をなぞっていく。




（んぅ…　良い風だぁ…）





本郷「ボン！」
　日翅ちゃんの声。


声の方を向くと、日翅ちゃんが慌てて走って来た。


（ふふ　走って来たぁ）


本郷「なぜ一人になるんです！！」
　涙目の日翅ちゃんが肩で息をしながら俺の周りを確認していく。



「なぜって、スタンバっただけだよ？」
（側に居なかったのは　お前だろ？）


本郷「もう…能天気というか　豪快っというかぁ」
　グスグスと鼻を啜りながら俺の前髪を整える。


（なんなんだよ　俺はちゃんと　できる体制を整えてたのに…）




Ｏ「いないとおもったら　もう　来てたんだね」
　大ちゃんがフワフワ歩いてきた。


「短縮するって言ったよね？」

俺の返事に少し困った眉をした大ちゃんが「平気そうだね　よかったね　本郷くん」と言葉をかけている。

本郷「はい　そのようです」
　ハンカチで顔を拭くいる日翅ちゃん。


（もしかして　俺　探されていた？）


Ｏ「探していたのは　本郷君だけだよ」

（あぁ　そうなんだ…）



“Love so sweet”のイントロが流れだした。


Ｏ「はじまったよ　行こう」
　大ちゃんが階段を登っていく。

「うん」
階段を登っていく。



　ステージに出ると、さっきまでの暗い曇りから　薄日がさす曇り空になっていた。



（天気になってるぅ！）
ニノをみる。



Ｎ『　Wow Wow Yeah Yeah　』
　マイクに声を乗せている。



（言わなきゃ！　ニノに伝えなきゃ　この空のぉ）