第41章 そんなに 気を張らないで
櫻井視点
A「おっまたせ!!」
雅紀が元気よく入って来た。
後ろに和也がフラッと入って来た。
(ぅん……ななめってねーか?盛り上げよぉ)
「待ってましたよぉん」
大袈裟に体を斜めにして出迎える。
A「でっきあがりましたよ」
雅紀が俺と同じように体を倒して反応した。
(お前じゃねーんだけど…)
N「はいはい そのくだりいりません」
俺たちの“おふざけ”を遮断するように真ん中を通っていく和也。
智くんが和也の行動を見て苦笑する。
N「いたって 普通の反応です」
智くんに向いて言葉を吐き出す和也。
智くんが肩を窄める。
N「怖くて結構。ジェィ!」
潤の方に近づく和也。
M「なに?」
潤が飲み物を飲み干して返事をしている。
N「これからの事なんだけど…」
ポケットから携帯を出すニノ。
潤がその携帯を覗きながら話し始める。
雅紀が俺の側に来る。
「二人とも仕事モードだね」
ふうと息を吐く。
A「せっかく気を緩めてあげようと思ったのに…」
雅紀が眉を下げる。
(なんだ 気づいてたのかぁ)
冷たくあしらわれた智くんの側に行く。
O「ワザとだったの?」
智くんが少し首を傾げる。
「ふっ 分かってたくせに…」
ニッと口角が上がて智くんを見る。
O「まーね…」
智くんも口角を上げて下を向く。
(ニノが 警戒モードになってる事もね)
A「これ 大ちゃんの分ね」
雅紀が持っていた物を智くんに差し出す。
O「カッパ?」
受け取らず雅紀をみる智くん。
A「うん! 時間無かったから 穴開けただけだよ?」
雅紀がパサッと広げて肩になる所を抓んでいる。
(受け取ってあげてよぉ)
「あの少しの時間で作ったの?さすが器用だね」
ビニールに手を伸ばして安全をアピールして雅紀を見る。
A「ありがとう」
嬉しそうに笑う雅紀。
智くんがゆっくり手を伸ばしてきた。
(うん 大丈夫だよ)
A「頭ここね スポッと被ると良いよ?」
雅紀が智くんに自作カッパの説明をしている。
O「ああ、うん ありがとう」
満足そうな笑顔の智くん。
M「なるほど スタッフと協議だな」
N「頼むよ」
ニコッと笑う和也と 頷く潤。
(二人があの顔なら 俺がしゃしゃり出る必要はないな)