第39章 手作りカッパだよ
相葉視点
ニノにせかされながら、手作りのビニールカッパを仕上げる。
「よし!出来上がりぃ!!」
本郷「本当に俺の分もあるんですね」
日翅ちゃんが後ろから出来上がった作品に手を伸ばしてくる。
「あったりまえだろ! ほら、ちゃんと 着てろよ?」
一枚を日翅ちゃんの胸に押し付ける。
本郷「あぁ はい ありがとうございます」
日翅ちゃんが遠慮がちに受け取った。
(ふふ 遠慮するな。俺たちと共に歩く者ミンナを大事に)
ニノが頭をカクッとさせた。
(ん?どうしたの?)
N「あ~ 気にしない気にしない」
目があったニノが手をヒラヒラさせる。
(むぅぅー!! なんだよ!その手!バカにしてるの!!)
N「よいしょ 先行くよ」
ニノが椅子から立ち上がる。
「え?(怒った?ねー怒ったの??)まってよ」
俺も立ち上がる。
N「待ってるのは、みんなの方です」
何も持たずに部屋から出て行くニノ。
(えぇぇ 今 ニノの機嫌損ねたら 俺 潤ちゃんに怒られるよぉぉ)
「わわわあ 日翅ちゃん 後片づけしといてね」
テーブルの上のカッパを軽く畳んで抱える。
本郷「かしこまりました」
綺麗に一礼する日翅ちゃん。
(むぅ… それ嫌いなヤツ…もっと楽に居ればいいのに…)
「あ! 渡したヤツ」
シワにならないように持っているカッパを指さす。
本郷「え?」
日翅ちゃんが口を開けたまま顔をあげる。
「ぷふふ ちゃんと着ろよ? 念押ししたからな!」
日翅ちゃんの肩を叩く。
本郷「はい 大事に着ますよ」
日翅ちゃんが笑った。
「よし その顔!その顔!普段もその顔でいろよ 絶対みんあと仲良くできるよ?」
(俺は… みんなに笑顔で いてほしいんだ
たとえ それが 一瞬でも…)
日翅ちゃんの目が俺の心を覗こうとする。
「おっと ニノの機嫌取らないと!!」
その目から離れる事と 本当にニノを追っかけるためにバタバタ音を立てて部屋から出て行く。