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虹と花とキミ達と 2 《気象系》

第39章 手作りカッパだよ


二宮視点

A「あっ えーっと…」
 なぜがオロオロしているマー君。

 その後ろで必死に声を出さないように肩を揺らしている本郷。

(アイツがいる時に そんな顔するなよ…)
「ほら!」
手招きして作業再開をアピールする。


A「あぁ はい…」
 シュンっとした顔でテーブルの前に来るマー君。


(あー もう そんな顔しない…)
「はい ハサミ。 はい さっさと切って?」
ハサミの柄を向ける。


 うんっと頭を動かしてハサミを受け取ったマー君は、ものすごいスピードで作業を進めていく。


(スイッチ… 入ると早い バカみたいに早い…)


マー君の作業に邪魔にならないように、気をつけながら手を出す。


A「よし!出来上がりぃ!!」
 四枚目を完成させて雄叫びを上げるマー君。


本郷「本当に俺の分もあるんですね」
 本郷が相葉さんの背後からテーブルの上の完成品に手を伸ばす。


A「あったりまえだろ! ほら、ちゃんと 着てろよ?」
 一枚を掴んだマー君が本郷の胸に押し付けた。

本郷「あぁ はい ありがとうございます」
 とまどいながら受け取る本郷。


「はぁ なぜに、疑問形…」
頭をカクッとなった。

(そこは主従なんだから、命令口調でいいんのに…
浮かれたり、沈んだり ホントこっちが疲れるよ…)



 マー君が俺の方を向いて、首を傾げた。


「あ~ 気にしない気にしない」
手をヒラヒラさせマー君をあしらう。

(変な所 目ざといんだから まったく…出来上がったんだらか、長居は必要ありませんね…)
「よいしょ 先行くよ」
椅子から立ち上がる。



A「え? まってよ」
 慌てて立ち上がるマー君。


「待ってるのは、みんなの方です」
手ぶらで外に出る。




「雨降ってる…」
手のひらを広げると、水滴がつく。




チラッと部屋の中を覗くとマー君がバタバタテーブルの上を片付けてる。



「さっさと 追っかけて来いよ… ばーか」
唇が勝手に尖がる。


「マジで置いて行ってやる!」
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