第35章 濡れた服は脱ぎましょう
吉桜視点
キッチンに入る浜地さんの背中を見つけて大きな声で声をかける。
浜地「どうしたんです?」
足を止めてくれた。
「二宮さんと相葉さんキッチンだと聞きまして、コレ!着替えと蒸しタオルです」
蒸しタオルの入った温かい袋と 着替えの入ったビニール袋を差し出す。
浜地さんが少し口を開けた。
そして
浜地「着替えずに作業しているんですね ありがとうございます」
大事そうに袋を受け取ってくれた。
(やっぱ 嵐愛が溢れている!!)
浜地「お茶入れますので運んでくれますか?」
僕の方を向いてほほ笑む浜地さん。
「はい 運びます」
浜地さんと一緒にキッチンにはいると二宮さんの「てからがイイ」の声が聞こえてきた。
(ん?て?)
浜地「そうしてください」
立ち止った浜地さんから低い声が聞こえる。
(へ? 今の声…)
声の出どころをそーっと見に行くと、いつもの笑顔がなくものすごーく怖い顔をしている浜地さん。
(わー 怒らさないように 気を付けよう…)
音を立てないように、シンクの方に体を向ける。
浜地「吉桜くん、私がしますので お二人のお着替え見張ててください」
「は!はい!!」
急ぎ足で、お二人の側に急ぐ。
テーブルの上に僕が持っていた袋に手を伸ばす二宮さんと目が合う。
(あ…先に蒸しタオル…)
N「こっちが着替え?」
「あ!はい 先にまだ温かい蒸しタオルをお使いください」
A「こっち? わぁ 温かい!! はい ニノ」
パッパッと袋からタオルを出して二宮さんに渡す相葉さん。
N「んーどうも… はぁ…」
タオルを受け取った二宮さんが顎と喉の当りを抑える。
(蒸したタオル やっぱ 皆さん うれしそうだなぁ
さすがです 犬養さん!)
A「体拭いてあげようか?」
N「いいよぉ」
A「遠慮しないでさ!」
N「遠慮じゃなく、お断り!」
A「善意を!」
N「押し売りお断り!!」
タオルをもった相葉さんと嫌そうな二宮さんを紅茶の缶を持った浜地さんが見ている。
(目がぁぁ 光ってる!!)
「ああ お二人とも 遊んでないで着かえてくださいよ!
浜地さんに怒られます 僕が!!」
乾いたTシャツを袋から出して広げる。