第33章 嵐コンテナの中で
大野視点
赤土の泥たまりを避けながら控室代わりのコンテナに戻る。
吉桜「お疲れ様です 蒸しタオルです」
吉桜くんがニコニコ迎えてくれる。
「あぁうん…ありがとう」
ホカホカのタオルを貰う。
(ホカホカ…)
椅子に座る。
吉桜「松本さんもどうぞ!」
M「わるいね…」
(翔くんが来るまでに、顔拭いちゃおぉ…)
吉桜「あのぉ 大野さん しょ 櫻井さんは?」
遠慮がちに話しかけてくる吉桜くん。
(しょうくん?)
M「翔くん? 浜地さんにミルクティ頼みに行ったよ」
松潤が返事をする。
「うんうん」
吉桜「浜地さんに…」
シュンとする吉桜くん。
M「へこみ所?」
吉桜「凹んでません 僕が専属なのになぁって思っただけです」
M「それを凹んでるって言ってるんだよ?」
眼力強めの松潤がタオルを肩に吉桜くんの方を向く。
(変な空気…やだ…)
「ああ まつ潤 ちょっと確認したいんだけど…」
M「ん なに? ドコ?」
クルッと体を回転させて顔を向ける松潤
(ぁ 次の事考えてなかった… どうしよう…)
S「ただいま!」
翔くんが元気よく入って来た。
声の方を見る松潤。
「おかえりぃ~」
(ナイスタイミング!!さすが翔ちゃん!)
吉桜「蒸しタオルをどうぞ!」
S「ん ありがとう」
タオルを受け取る翔くん。
吉桜くんと何か話している。
(なに話しているのかぁ…)
吉桜「おまかせください」
吉桜くんが慌てて、出て行った。
(なに頼んだんだろう…)
翔くんが顔に蒸しタオルを押し当てながら近づいてきた。
(聞いてみよう…)
「どう」
M「でっ どこよ 確認場所」
キリッと仕事モードの松潤。
「え…」(どうしよう)
S「ん?どした?」
松潤と俺を交互にみている翔くん。
M「リーダーがさ 気になる所があるって…」
松潤が翔くんに簡単な説明をする。
(しなくていいのに…)
S「そうなの? どこ?」
(ダブルで仕事モードぉ 困った… あぁもう
「浜ちゃんに頼んだの? 飲み物とかっ 蜂蜜とかっ」
ごまかしたい…)
S「え? あぁ うん 頼んだ ニノ達にも聞いてくれるって」
翔くんが話に乗ってくれた。
(このまま 流れたい)