第32章 専属マネの奮闘
本郷視点
朝から 天気は良くなかった。
野外ライブだから こういう天候もある。
(ボン…)
小雨が降り始め、着ている服が濡れていく。
それでも 一生懸命踊る相葉雅紀 今俺が仕える後継者候補
(大丈夫かなぁ)
何事にも一生懸命で 自分を見失いがちなボン。
本格的に雨になっても、足元を気にせず、踊っている。
(あぁ…
大野さんのように 程よく流して 踊ってはくださいよぉ)
スタッフ「すみません! メンバーの皆さん 一度 捌けてください」
コンサートスタッフの声が雨の中響く。
(大手を振って休ませれる!)
ステージ袖に走って行く。
浜地「いかがしました?」
浜地さんが二宮くんの側に立っていた。
N「冷えたのかな…痛みがある」
腰の辺りをさすりながら笑っている二宮くん。
浜地「すぐに薬湯を用意します」
スッと頭を下げ離れていく浜地さん。
(おお… さすが動きが様になってるなぁ)
続いて 相葉くんが出てきた。
(俺もやってみよう)
「相葉くん 一度、体を温めませんか?」
相葉くんの背後に付いて歩く。
う~んって感じで振り向く相葉くんは「そんなに時間あるの?着替えるだけでいいよ」とそっけなく返された。
「そうですかぁ…(うまくいかないもんだなぁ)
Tシャツだけでも着替えましょ?まずはタオルです」
相葉くんの首にタオルをかける。
A「うん、そうする…」
スタスタ前を向いて歩いて行く相葉くん。
(さすがに 口数すくないな 着かえさせて飲み物用意して…)
A「あ!」
いきなり大声を上げる相葉くん。
(!)
顔を上げる
A「日翅ちゃん!」
詰め寄って来る相葉くんのドアップの顔。
(な!なに!)
A「ビニール袋あったら持ってきて!」
笑顔の相葉くん。
「なにに使うんですか?」
A「即席カッパ作るから。一番大きいの持ってきて!」
俺の胸をポンポンと叩いている相葉くん。
「わっ 分かりました」
一礼して離れる。
≪我が手足の羽たちよ 主人の欲するものを用意しろ≫