第30章 本格的な雨で一時中断

大野視点

リハではそれなりに歌って踊って…ないけど　流れを確認していく。

　松潤がいろいろ動いている。

（今は、もう完全に任せっきりだ…）

決して丸投げしている訳じゃない。

松潤が納得できる構成でうまく回っているんだ。



　雨足が強くなってきた。

スタッフもオレらも結構ビショビショなっていく。


（一度…仕切り直した方がいいかもなぁ）



ｽﾀｯﾌ「すみません！
　　メンバーの皆さん　一度　捌けてください」
　スタッフの声が雨の中響く。


（仕切り直しだ）


スタッフやメンバーに、視線を配る。


　ニノがゆっくり歩いていく。
　相葉ちゃんもステージから降りていく。


　はーっと大きく息をはく松潤。


（やりたいことが出来ないって顔して…）
「翔くん」


Ｓ「任せて！」
　振り向いた時は、松潤の方に歩き出していた。


（ん…任せた）

先にステージを降りていた二人が見えた。



Ａ「あ！」
　相葉ちゃんの声が聞こえる。

　一礼して離れていく相葉ちゃんのマネ。
　入れ替わりに近付くニノ。


（何かあったのか？あるのか？）
少し歩くスピードをあげる。







　相葉ちゃんを険しい顔で見ているのニノ。


Ａ「そんな顔しないでよ！侵害だな！！」
　相葉ちゃんがプッっと頬を膨らます。

　ニノが一瞬、表情が固まり、ボソボソ何か言っている。

　すると、相葉ちゃんがすぐにニコニコの相葉ちゃんに戻った。

Ａ「着るでしょ？」
　笑顔で確認する相葉ちゃん。

Ｎ「着る…」
　頬の色が明るくなるニノ。

（はぁ…いつものジャレアイかっ　問題はないみたいだな…）

話している二人の横を通ろうとすると「リーダーもきなよ」の声と一緒にニノの手が俺の服をつかむ。

（え！なに？）

　真剣な目のニノ。
　ニコニコの相葉ちゃん。

（きるって着る？）「ドットコム製？」
ニノと相葉ちゃんを交互に見る。

Ａ「そうです！」
　胸を張る相葉ちゃん。

（なに、作るの？変なの作くったら松潤に怒られるよ…）
《aiba amagu tukuru》
小鬼が耳打ちする。


（雨具？ああ　「なら！着る」　前に一度作ってくれたやつだろ…）