第30章 本格的な雨で一時中断
松本視点
スタッフ「すみません!メンバーの皆さん 一度 捌けてください」
スタッフの声が雨の中響く。
(くー…
本番前は、ちゃんと踊りたいのに…)
ニノが歩いていく。
(行動ハヤっ)
相葉くんもステージから降りていく。
はーっと大きく息をはく。
(防水のマイクを使う事にしても、機材が防水でなきゃ、不具合がでる…)
S「潤?捌けようぜ」
翔くんが近づいて来る。
「あーでも、俺も…調整…」
ステージ下で作業しているスタッフ達に目を向ける。
スタッフ「松本さんも一度捌けていただいた方が…」
ペコペコ頭を下げ、手のひらを上にして小刻みに動かしているスタッフ。
(なんだよ、俺には、俺の…)
S「潤。」
ハッキリと聞き取れる翔くんの声。
振り向くと、にこっと頬笑む翔くん。
S「『メンバー』って言ったよな。」
優しい口調だけど お前も来い っと目が言っている翔くん。
(わぉ… 従わなきゃ…)
「うん、わかった。じゃ、整ったら再開ね」
ペコペコ頭を下げるスタッフに手を降って、翔くんの方に歩いていく。
肩を並べるタイミングで歩き出す翔くん。
(紳士的な行動…さすがだなぁ)
S「浜地さんにさ、温かいなんか貰おうぜ」
少し口角を上げながら話す翔くん。
(暖かいものかぁ
「さっきニノが飲んでたミルクティ?」
一番にイメージが出てきた。
S「ああ 蜂蜜入りだったけ?」
「だったけ?」
S「未確認だわ」
くくって肩を揺らす翔くん。
「言えば、入れてくれるかな?」
S「浜地さんの事だから持ってるんじゃない」
「だねぇ」
(なんだこの会話ぁ 嫌いじゃないけど…)
メンバーの背中が見えてきた。
A「侵害だな!!」
相葉くんが大きな声を上げた。
(侵害?)
S「なんだろうね」
「ねー?」
翔くんと一緒に駆け足で近づく。
O「ドットコム製?」
リーダーがニノと相葉くんを交互に見ている。
(ドット?なんか作るの?)
A「そうです!」
胸を張る相葉くん。
(今からなんか作っても 演出構成は変えないぞ…)