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虹と花とキミ達と 2 《気象系》

第29章 リハの合間


櫻井視点

ステージ下から ステージ裏に移動する時、土の所を通る。


昨日は、ぜんぜん平気な通り道だったけど


(わぁ 靴に泥ぉ付いた…)


今日は雨が降ったから 一歩動くたびに、足が重くなる。


(雨で、足もとおぼつかないのに…土までついたら…)



階段をゆっくり上がる。


(わ…マジか、足跡つきまくり…)

階段にベッタリつく土の足跡を、スタッフが踏んでいく。



(スタッフの靴を汚すのは、どうかと思う…
 ここで、取れるだけ取っておこう…)

靴にベタベタついている土をセットに擦り付ける。



スタッフ「どうかされましたか?」
 カメラを持ったスタッフが近づいてきた。


「あ
(やべ 見られてた…説明して、この場をしのごう…)
 うん。靴に泥が付いて、重いし、泥が滑る…」
行動をそのまま続ける。


スタッフ「赤土の?」
 カメラが足元を写す。

「そうなの…赤土泥って最悪だよ…粘土みたいだもん」



スタッフ「ステージは、こまめにふき取りますので、気を付けてください」

(ぁ…『俺が滑るに』なってる…まー間違いじゃねーけど…)

「そうだね。気を付ける。スタッフの皆にも、伝えといて」




O「そうそう『何事にもケガだけはしないように!!』」
 智くんがひょこっと話に入ってきた。



「もうそれ、格言化してるよね?」


O「『気を付ける』に、『過ぎる』はないよ?」
 ふざけたような顔して、目が真剣な智くん。


「そうですね。各自『気を付けましょう』」


O「うふふ」
 満足そうに笑って、スタスタ歩いていく智くん。


(ご満足いただけようで、なによりです)
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