第28章 できるだけリハしよう
櫻井視点
犬養「お疲れ様です」
犬養君がコンテナに入って来た。
A「お疲れでーす」
雅紀が一番返事をする。
犬養くんはペコっと頭を下げて、潤の所に行く。
(俺としたことが、返事するタイミングを逃すとは…
仕方ないっちゃー仕方ない…)
O「着替えなくて平気?」
智くんが俺に声をかける。
(やっと声にしてくれた…)
「うん 大丈夫だよ」
返事を返す。
智くんが少し眉を下げ、何か言いそう。
(? 他に気になるところが……あぁ この濡れた髪が気になるんだね)
ニコッと笑って椅子の上のタオルを取って髪をふく。
(まったく、貴方は、本当に自分以外の心配ばかりするんだね)
ジィーーーーと俺の動きを見ている智くん。
(あなたの凝視は…顔が緩むぅから…)
M「みんな いい?」
潤が俺たちを呼ぶ。
(おお、潤!ナイス!!)
潤の方を向くと、ものすごい目力で俺たちの方をむいていた。
M「雨がまだそんなに降っていないから、音響の機械を動かしながら流れを見て行く」
これからの事を話しだす潤。
(ぅ~ん…気合いが入っているけど…アツくなりすぎるなよ…)
M「日本で、何回も話し合って、調整して、
確認してのセットリストだから、大まかな流れはそのままでいいと思うからっ…」
言葉が詰まる潤。
(ほら…言葉が想いに追い付かなくなる…)
O「『いつもみたいに』で 良いと思うよ」
ふふっと智くんが呟く。
N「そうそぉ」
和也がニヤッと笑う。
そんな二人をみて、潤もニヤッと笑う。
M「じゃ 気になったら、止めて微調整させていただきます」
(ふふ…よし、良い顔になった…)
A「らじゃー!!」
平井に手の甲を当てて豪快に笑う雅紀。
(お!コッチもエンジンかかってますか! じゃ)
「やりますか!」
アイスカフェオレを飲み干す。
M「やろう!!」
潤が立ち上がる。
その後ろを雅紀、ニノと進み始める。