第21章 じゃ　ヘリまで…

大野視点

翔くんの動く気配を感じて待っていたけど出てこない。

「翔くん？出ないの？」
テントの布を持ったまま中を覗く。


Ｓ「ごめん　今行く」
　急いで外に出る翔くん。


「ふふ　そんなに　慌てなくても…」
翔くんの背中が通り過ぎるのを確認して布を離す。

Ｓ「いやいや　急ぐでしょ！！」
　翔くんが俺の方を向く。

「そう…」
翔くんの顔を正面から見る。


（よかった　良い顔してる　俺の大好きな顔だ…）


　カメラを肩に担いだスタッフ近づいてきた。

Ｓ「さ！ヘリの所行きましょうか！」
　カメラに気づいた翔くんが、仕事顔に戻る。

「そうだね」


翔くんとカメラマンと一緒に客席になる予定の場所まで出る。


Ｓ「じゃ　俺　中央の方のを撮ってから、ヘリに行くね」
　カメラを俺に見せる翔くん。


「うん　分かった」
手を少しだけ振る。


　スタスタ歩いて行く翔くんの背中を見て足を動かす。



Ｎ「おじさん。さっさと来てくださいよ」
　ニノがゆっくり近づいて来る。


　相葉ちゃんが一人先に歩いて行くのが見える。


（相葉ちゃんが仕事モードになったから　寂しくなった？）


Ｎ「余裕ですね？今からの事　把握済みなんですね」
　横を歩くニノがニヤッと笑う。


「んー　まーねー」


Ｎ「説明してよ？」
　口角が上がるニノ。


「説明？」（なんの？）


Ｎ「ちゃんと　説明してみなっつてんの　今　言われた事を」
　言葉がキツメになるニノ。


（八つ当たり？　面倒だな…）
「とりあえず　今　もう　一回やるんで…」


Ｎ「Ｊが今　言ってたんだからさ」
　毒つきはじめたニノ。

（ひぇーー　めんどくせー）
「たくさんやると分かんない」


Ｎ「たくさんやると　分かんないって　どういうことだよ
　　今　Ｊが言ったことを！」



Ｍ「ニノぉ！」
　松潤の声が聞こえる。

Ｎ「はい！」
　声が聞こえた方を急いで向くニノ。


一緒に振る向くと松潤が手を上げて近づいて来る。


「呼び出しだよ」


Ｎ「先行っててください」
　ニノが松潤の方に走って行く。



（はいはい　演出は任せた！）