第21章 じゃ ヘリまで…
櫻井視点
スタッフ「すみません 櫻井さん」
意識と違う方から声が聞こえる。
「あ! なに?」
急いで意識を戻して周りを確認する。
スタッフ「吉桜さんからカメラを渡すように言われまして…」
申し訳なさそうにしているスタッフがカメラを渡してきた。
「ありがとう!」
ニコッと笑ってカメラを受け取る。
A「ほら 急ごう!!」
ニノと雅紀が団子になって出て行く。
(気のせいか…)
テントの入り口に智くんも立っている。
(俺は このカメラで、セットの写真イッパイ撮ってファイルにしないとねー 思い出大切ぅ!!)
A「ありかとう!」
雅紀が智くんにお礼を言った。
O「翔くん?出ないの?」
テントの布を持った智くんが外から覗いている。
(わ!待っててくれたんだ!!)
「ごめん 今行く」
急いで外に出る。
O「ふふ そんなに 慌てなくても…」
俺が出たら持っていた布から手を離す智くん。
「いやいや 急ぐでしょ!!」
O「そう…」
ふわっと笑顔になる智くん。
(よかった 良い顔してる)
カメラを肩に担いだスタッフ近づいてきた。
(おっと 今日はカメラが回っているんだった 引締めよぉ
「さ!ヘリの所行きましょうか!」
お仕事 お仕事!)
O「そうだね」
すうっと鼻で息をする智くん。
智くんとカメラマンと一緒に客席になる予定の場所まで出る。
「じゃ 俺 中央の方のを撮ってから、ヘリに行くね」
私物のカメラを智くんに見せる。
O「うん 分かった」
手を少しだけ振ってくれた智くん。
(よし! たくさん撮るぞぉ!
まずは、ここら辺で 一枚。
あ この角度は俺たちは見えない所だなぁ…)
相葉くんが一人ステージの方に歩いて行く。
(あれ ニノと行動しないんだ…)
ステージの袖に本郷君が立っている。
(今日の本郷君 目が鋭いなぁ… …)
本郷君と目があった。
(あ、見てる事 気づかれた…)
ニコッと笑う本郷君。
(… 笑うと普通なんだけど… なんか ちょっと怖い…)